当然な話 後編

20101114_allout2010_keynote.034.jpg前回のエントリーで自分の経験上と書いたように、かく言う自分もボールの質には相当苦労した。カルチャーショックに近い衝撃を受けた記憶がある。ヨーロッパなどに行くと実力や、タレントを持っているのに経済的な理由から、自国、近隣諸国でしか試合にまわれない選手、実力とランキングが比例されていない選手がわんさかいる。グレードの低いトーナメントでもこのような選手と常に戦わなければならない。

彼ら達は、後ろからしっかりボールを打ち、相手の体勢を崩してから攻めるというセオリーにも入らないぐらい当然なプレースタイルが身体に染みついている。そんな彼ら達に、中途半端にタイミングが速く、悪質なボールを打っていても、全くといって良いほど通じないのは当然であった。反対に自分は何百位というぐらい格下(ランキングだけでいうと)の選手のボールに完全に押されている、反応すらできないのであった。レシーブ、グランドストロークを2m下げ3週目ぐらいから自分もアジャストしだしたが、自分のプレースタイルが確立されていない為、そのトーナメントは納得いく内容ではなかった。しかしクレーコート、スローハードコートでの戦い方を考え直せたという意味ではとても貴重な経験をしたのであった。

シーズンが終わり、まずはターン(切り返し)を取り組み、質の高いボールが打てるようになり、相手の体勢を見ながら、自分のポジションを上げたり下げたりしていく事を意識できるようななった。これが完全に意識して取り組め、身につきだしたのは自分が引退する2年前ぐらいからであった。勝負事、いや人生に対してタラ・レバはタブーだが、これがせめて18歳の時に気がつき、知識があれば、身についていれば自分のランキングはもっと変わっていたであろう。

それをジュニア時代から「守備性攻撃型テニス」「負けないテニス」を掲げ、低年齢からコンシステンシーテニスを目指してその練習プログラムを取り組めている彼ら達には、当然と大きな期待を抱いてしまう。


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