「克つ」ことと、「喝」ことが、「勝つ」ということ

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ブリティシュオープンが終了しました。
国枝選手は見事シングルスを征し、グランドスラム大会8連勝を飾りました。国枝選手、本当におめでとうございます。

過去を振り返れば、多くのジュニア選手や車いす選手のレッスンを行ってきました。勿論、現在進行形でもあります。全日本ジュニアを目の前で優勝してくれた選手や、車いすでは世界の強豪を相手に優勝してくれている選手。

そのような選手を見てきた中で、小生が勝ち切れる選手を思い浮かべた時に思う
重要な要素のひとつのなかに・・・

常に「勝つ選手」は「自分に克ち」、更に追い込む「自分に喝」が入れられることができ、それに打ち勝つ能力を持っている選手が最終的に「勝者」となって結果に出ていくものではないかと感じています。しかも、それぞれの勝・克・喝は「毎日」行える実行力が伴っていることも必要とされます。

今回の国枝選手は、まさにその3つの要素を乗り越え、8個目のタイトルを獲りました。今大会は、非常にベストな状態で入りましたが、大会3日目の夜から、急に体調を崩し、一気に最悪の状態に陥りました。嘔吐と下痢で、食事は取れず、睡眠も間々ならずに準々決勝、準決勝を戦うことになりました。特に準々決勝の前夜は、明日の試合を棄権しようと思うぐらい酷い状況でした。頼みの綱は、エネルギー系のゼリーやドリンクのみでした。

途中で棄権することも頭に入れながら、セットを落とすことなく厳しい内容を戦い抜きファイナルへ・・・
相手は、世界No2の選手、しかも絶好調。状況は少し良くなったものの、試合前の練習は体力温存のため軽い打ち合いのみ。

しかし、違うところはここからが普通の選手ではない能力が発揮されます。着替えを終え、試合直前の戦術ミーティングでは顔つき、眼力が違いました。相手を叩きのめす「戦闘態勢」の顔つきでした。

いつものように送り出し、内容は苦しい中でも、相手のたった1本の隙をみた得意のゲーム運びで、第1セットを先取し、第2セットはその勢いで一気に取り切りました。

正直、何も言うことはありませんし、「信じられない」のひとことがそれに当てはまります。勝たなければいけない人、勝ち続けられる人の力とは、人間の持っている無限の力を引き出せることなのでしょう。

おめでとう国枝選手。そして、ありがとう国枝選手。次は本番の北京だね。よろしく!

コメント

  1. ko-taro- さん : 2008.07.28

    コーチ、ご苦労さん。今度の優勝の裏にはすごいものがあったんですね。丸山さんの予想を超えて、慎吾はすばらしい成果を見せてくれました。本当におめでとうございます。

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