土居美咲
土居美咲のバックリターン。土居美咲は2011年、ウィンブルドン選手権では予選を勝ち抜き、本戦でもシード選手を破り3回戦に進出、ランキングも103位まで上げてきました。軸のぶれない安定したストロークには定評があります。
その土居美咲がウィンブルドンでプレーしたリターンの連続写真を例に、脱力テニスのポイントを解説していきます。

素早く正確な準備とバランスの良さがパワーとスピードを生む

土居選手の連続写真から分かる、一般プレーヤーが最も真似したいポイントが、土居選手の素早く正確な準備とバランスの取り方です。
写真はウインブルドンでのバックハンドリターンの場面です(土居選手は左利きです)。
ここでは、リターンの連続写真での解説になりますが、この動き方はストローク全般に渡って広く応用できる大事なポイントですので、是非しっかりと押さえておきましょう。

土居美咲のバックリターン [ウィンブルドン2011]  ※写真はクリックで拡大

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Check! 素早く正確な準備
①~④スプリットステップの着地で膝を曲げた状態になります。その時の目線の高さを維持したまま、遠くに来たボールを返球するためにサイドステップを使い、右足側に重心を移動させています。
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Check! ラケットヘッドを立て体の捻れでインパクトにパワーを
着地直後に⑥でグリップチェンジを終え、インパクトの時のラケット面をつくっています。
またその直後、⑦で素早くしっかりとボディーターンを行っています。
このボディーターンの時点ではしっかりとラケットヘッドが立っている点に注目してください。
ここでラケットヘッドを立てておくことで、インパクトで厚い当りのトップスピンを打つことが可能になります。
この後、相手のサービスがかなりワイドに入った為に、土居選手は軸足となる右足を着くと同時にスイングを開始しています。
⑧で脱力した腕をめいっぱい伸ばしていますが、先程ボディーターンでラケットヘッドを立てていた効果により、これから振りだそうとする腕や肩の筋肉が捻じられたゴムの様な引っ張られた状態ができ上がっています。
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Check! 重心をコントロールしてバランス力をアップ1
この筋肉の捻りと伸長から戻る勢いが、ギリギリ届いたボールに対して力を入れなくとも自然なトップスピンを与える役割を果たしてくれています。
⑫このインパクト直後、身体は凄い勢いで右に流れていくのですが、土居選手は素早く左足を身体の右側へ運ぶことで、重心の位置が右に流れないように身体のバランスを保っています。
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Check! 重心をコントロールしてバランス力をアップ2
この後のセンター方向への戻りをより素早くする為に、⑬でも意図的に重心を背中側に残しています。
その結果⑮では、身体の向きを変えるだけで、右足にそれほど大きな負担を掛けること無く、すでにセンター方向への戻りがスタートでき、次のボールへの素早い対処が可能になっています。
一般プレーヤーがこの動きを真似する時は、最初から一貫して姿勢を起こしておく意識がとても大事なポイントになります。なぜなら、身体を前へ倒してしまうと、上半身の重さが全て右側へ流れてしまいます。一度流れた重みを外足で踏ん張って方向転換しなければならなくなり、膝や足全体にかなりの負荷がかかって、疲労や故障の原因になってしまいますし、センターへの戻りも遅くなってしまいます。

※写真撮影:Hiroshi Sato、写真はクリックで拡大

★一般プレーヤーが学ぶべき、2つの大事なポイント★

特に一般プレーヤーが真似して欲しいところは、2点あります。
1、スプリットステップ直後の素早いボディーターン&ラケットヘッドアップ
2、常に姿勢を起こしておく意識を持つことでのバランスのとれた動き方
スロトークでもリターンでも、この2点のイメージをしっかりと頭に入れて練習してみてくださいね。
テクニック解説:榊原太郎(さかきばら たろう)