体を強くしてテニスのパフォーマンスを高めるためのウェイトトレーニング。みなさんは効果的に行えているでしょうか。目的もわからずに行うよりも、簡単な知識を持って行うだけで取り組み方も変わって来ます。そんなウェイトトレーニングをする前に知っておきたい基礎知識をご紹介します。
抑えるポイント別に大きく3つに分けてみました。

1、テニスの強さに直結する効果を上げるために必要なウェイトトレーニングの基礎知識

ウェイトトレーニングとは

ウェイトトレーニングとは、バーベルなどの重りを決められたフォームで動かすことで筋肉に刺激を与え、筋肉や神経の働きや形状を変化させることを目的にしたトレーニングです。

継続性が大切

テニスにおいてウェイトトレーニングの目的は、パフォーマンスを向上させるためでもありますが、一番は怪我をしない体を作ることにあります。継続的なトレーニングで、確実にその効果が実感できるはずです。

ウェイトトレーニングは目的によってやり方が変わる

重いものを上げられるようになりたければ、重い重りを上げる(高い負荷をかける)トレーニングを。早い動作を手に入れたければ、速い動きで。というのが原則になります。

時期により内容が変わる

スポーツの世界では、試合や練習内容に合わせて、ウェイトトレーニングの目的を変更します。それらは、「筋持久力」「筋肥大」「筋力」という3つの目的に分けることができます。

2、ウェイトトレーニングの3つの目的と内容

2-1、筋持久力のトレーニング
いつやるか

一般的に筋持久力のトレーニングはトレーニング期間としては最初に行われる目的になります。筋肥大や筋力のトレーニングのボリュームを増やせるように筋肉のタフさを増すことが目的です。

内容

■重さ:1回だけ挙げられる重さ(以下1RM)の50~60%程度
■早さ:ゆっくり
(スピード持久力として行う場合は、正しいフォームで、できる限り速いスピードで)
■回数:16〜20回
(セット間の休憩は実施時間に対して1:1かやや短め)

2-2筋肥大のトレーニング

筋肥大とは筋肉を太く、大きくすることを目的としたトレーニングを指します。

いつやるか

トレーニング目的の中で最も多く行われるのが筋肥大のトレーニングです。トレーニング期のはじめから、試合の前まで行われますが、試合の時期は頻度を少し減らします。といってもやらないわけではなく、回復期間を見て行う頻度を決めます。

内容

■重さ:1RMの70~75%程度
■早さ:ゆっくり(1回の挙上を5〜6秒かけて行うと効果的)
■回数:10〜12回(セット間の休憩は60〜90秒間程度)

スピードをコントロールしよう

このトレーニングでは筋肉に疲労物質がたまるため、「バーン」という筋肉が焼け付くような状況を作り出します。効果的にトレーニングするためには反動を使わず、ゆっくりとした動作で行って下さい。

2-3筋力のトレーニング

筋力とはどれだけの重りを挙げることができるかで評価されます。最大挙上重量を挙げるためのトレーニングを指します。

いつやるか

トレーニング期の中頃から試合に近い時期にわたって取り入れられます。筋肉に対する負担が大きいことから頻度は多くはありません。できる限りフレッシュな状態で行うことが効果的に行う鍵になります。

内容

■重さ:1RMの95~85%程度
■早さ:ある程度早くてもいいが反動は使わない(実際は重いので速く動かすのは困難)
■回数:3〜5回(セット間の休憩は2〜3分)

神経を強く刺激する

この目的を達成するためには、筋肉の機能だけではなく「神経」の機能も向上させなければなりません。通常、運動をするときには全ての筋繊維を導入することなく、多くの筋繊維がローテーションしながら力を発揮しています。1回に運動する時に導入する筋繊維を多くするためにはたくさんの神経が活動しなければなりません。つまり、1回にたくさんの筋繊維を活動できるようにするトレーニングが「筋力」のトレーニングなのです。

サポートしてもらおう

筋力のトレーニングでは高負荷を扱うために危険が伴います。ウェイトトレーニングに慣れた選手でもトレーナーの補助の元に行うのがほとんどです。はじめから無理をし過ぎないこと、しっかり呼吸をすることに注意して取り入れてみて下さい。

3、どのように取り入れるか

前提として

ウェイトトレーニングをどのように取り入れたらよいのでしょうか。一般的には筋持久力、筋肥大、筋力の順で時期を分けて取り組んで行きます。ただし、どの期間にも目的以外のトレーニングも行います。筋力向上を目的とした期間でも筋肥大のトレーニングも行うのです。その期間に目的にしていることに寄って優先順位が違うと考えて下さい。

回復と感覚

実際にトレーニングを行ってみるとわかると思いますが、3つの目的別のトレーニングのうち、筋肥大のトレーニングが最も強く疲労が残るはずです。いわゆる筋肉痛を引き起こすのもこのトレーニングによることが多いと思います。回復には48~72時間(2~3日)かかるのが一般的です。そのため筋肥大を目的としたトレーニングは試合やプレーの3日以上前には終えておく方が無難です。筋持久力(特にスピード持久を目的にしたもの)や筋力のトレーニングは2日空ければほとんど回復するはずです。

試合前には何をするか

あくまで一般論ですが、プロの場合は年間を通して試合が続くので試合の当日ですらウェイトトレーニングをする場合もあります。ただし、それはあくまでも「自分の体」がわかっているからです。どれくらいで回復するのか、どの程度やるとどれくらいパフォーマンスに影響するかなどが把握できているのです。
一般的には72時間以上の回復時間を考えて、試合の4日前にはウェイトトレーニングは終えておくのがよいと思います。
長くテニスを楽しむためにも、ウェイトトレーニングを計画的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
記事:豊田啓