ジョコビッチノバク・ジョコビッチは2011年、シーズン開幕から7大会連続優勝、圧巻の41連勝をやってのけました。
そのジョコビッチが全仏オープンでプレーしたフォアハンドの写真を例に、脱力テニスのポイントを解説していきます。

一般プレーヤーが陥るインサイドアウトスイングの秘密

あなたはインサイドアウトのスイングを右の図Aの様に思っていませんか?
この図は、真上から見た右利きのフォアハンドストロークでのインパクトまでのラケットヘッドの動きを図式化したものです。
実はトッププロのインサイドアウトのスイングは図Bの様に振っています!
全仏オープンでのジョコビッチのフォアハンドストロークの連続写真を見てみましょう。

ジョコビッチのフォアハンド [全仏オープン2011]  ※写真はクリックで拡大

ジョコビッチ ジョコビッチ ジョコビッチ ジョコビッチ
Check! 準備
①腰と肩を捻り込み、充分なテークバックで準備する。
肩、腕は可能な限り脱力してラケットをテークバックの位置に保持している。
Check! 腰を打球方向へスライド
②~⑤腰の捻りを戻さずに、腰を打球方向(左)へスライドする。
腰の動きに連動して脱力した腕が引っ張られ、ラケットが徐々に下がっていく。
ジョコビッチ ジョコビッチ ジョコビッチ ジョコビッチ
Check! 腰の捻り戻し
⑥~⑩腰の捻りを戻しながら、腰をお腹側へ突き出す。
この腰のお腹側への動きがスイングをインサイドアウトにし、体のバランスを保っている。
ジョコビッチ ジョコビッチ ジョコビッチ ジョコビッチ
Check! 完全脱力のフォロースルー1
⑪~⑬そのまま打ちたい方向へラケットを放り投げる様にして、脱力したまま振り抜く。
(この時は手首の力が抜けきっていることが大切
打球方向へラケットが振り出される為、とても厚い当りのトップスピンになっている。
ジョコビッチ ジョコビッチ ジョコビッチ ジョコビッチ
Check! 完全脱力のフォロースルー2
⑭~⑯スイングの勢いが余って、腕が持って行かれ、肩が勝手に180度反対側を向くくらい体が回ってしまう。
腕や手首が力んで固くなっていると、フィニッシュでここまで肩が回らないので、脱力している証拠である。

※写真撮影:Hiroshi Sato、写真はクリックで拡大

★脱力して体の中心から動く意識を持つ★

この写真のジョコビッチを含めトッププロの動きは非常にバランス感覚が優れています。
というのもストロークでもボレーやサービスでも、体の中心である骨盤(腰の骨)が小さく立体的に8の字に動き、その動きに引っ張られるかのように脱力した手足が連動してきます。
そうすることにより、バランス、タイミング、共に理想的な身体操作ができます。
☆一般プレーヤーとの大きな違いの一つにこの『骨盤からの力の連動』があります。

★肩を脱力する★

多くの一般プレーヤーは、打つ前に力んで肩が少し上がってしまいます。
そうなると、骨盤からの力の流れが上手く上半身に伝わらなくなります。そのため、結局、胸や肩、腕の力を使って打たざるを得なくなります。
最も簡単な解決法は、意識的に両方の肩を下ろすこと。
肩でテークバックをすると肩に余計な力が入り易いので、肩を下げたまま肋骨(あばら骨)をターンします。
これで肩の力みが少なくなると、骨盤の動きに上半身がついてきます。
逆に意図的に肩に力を入れて、肩を上げてテークバックすると、骨盤を回していった時に、骨盤だけが回り、上半身が置いて行かれて、体が開いてしまうという感じを味わうことができます。
この二つの違いを感じ取れれば、肩をリラックスさせるということの重要性に気付けるはずです。
一般プレーヤーでもトッププロの体の使い方のポイントをつかめば、安定し、パワーのあるショットを楽に、しかも身体に負担をかけずに打つことができるようになります。
テクニック解説:榊原太郎(さかきばら たろう)