森田あゆみ(テニス)

森田あゆみ(テニス)有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コートで開催中の東レPPOテニスは、25日に2回戦を行い、日本勢で唯一勝ち残っていた森田あゆみが世界6位のアンジェリーク・クルベールと対戦。3-6、4-6で敗れたものの、互角に近い熱戦で今後の活躍に期待を抱かせた。

「今日は、最近では一番良いと思える試合内容だった」

試合後の森田の表情には、悔しさは滲むものの、後悔や迷いの色は無かった。スコアこそストレートの敗戦だが、実際に今日の試合を見た者たちも、抱いた思いは同じだったのではないだろうか。

「コートに深く入り、早いタイミングで打っていく」という現在取り組んでいるテニスは、コート上で十分に描くことができた。特に第2セットの終盤、相手に2つのブレークを許しゲームカウント2-5の局面から、猛烈な追い上げを見せ観客を大いに沸かせた。

ベースラインよりも内側に踏み込んで、相手のサーブを早いタイミングで返す。ラリーの中でも自分から仕掛け、最後はネットに出てボレーで豪快に叩きこむ。森田が目指すテニスでウイナーを連発し、まずはブレークに成功。続く自分のサービスゲームもキープして5-4に。

さらには、次の相手のゲームでも互角の打ち合いを見せ、30-30オールの場面では森田が完全にラリーを支配した。だが、鋭いクロスを放ち、とどめをさすべくネットにつめた森田の横を、信じられないようなクロスが抜けていく。

「あの場面は、自分が完璧に近い展開で攻めていた。最後はボールが浮くかと思ったから、あれ(ショートクロス)には準備できなかった」森田も相手を称えるしかない、クルベールのミラクルショット。

「この場面だけではなく、今日の試合では自分が攻めていても、最後で決め切れないことが多かった。そこが、トップ選手と自分の差」と敗因を認める森田だが、この言葉は裏を返せば、その僅かな差を埋められれば勝つチャンスも出てくるという、自信の現れでもある。

「今の早い展開のテニスに取り組んで、まだ2週間。今度、もっと試合をこなし経験を積めば、課題は克服できると思う」

目指すべき方向性は明瞭で、今大会の2戦で確かな手応えも得た。今季は苦しんだ日本のエースが、日本で手にした自信は大きい。

写真は、東レPPOテニスのシングルス2回戦で敗退した森田あゆみ

東レPPOテニス

シングルス
2回戦

アンジェリーク・クルベール(ドイツ)[4] 6-3 6-4 ●森田あゆみ