守屋宏紀(テニス)

守屋宏紀(テニス)
25日、愛知県豊田市で開催されているダンロップ・ワールド・チャレンジ2012で男女シングルス決勝が行われ、日本の守屋宏紀はミハル・プルシシェズナーに、2-6、3-6で敗退。初のATPチャレンジャー優勝はならなかった。

優勝へのプレッシャーや未体験の領域が、守屋の身体から本来のしなやかさを奪っていた。守屋宏紀のチャレンジャー初優勝への挑戦は、1時間16分で終わった。

両者は今回が初対戦。守屋は前日、「相手はストロークが安定している良い選手だが、僕は自分のテニスに集中するだけ」と、決勝への抱負を口にしていた。だが、相手の高速サーブと硬軟織り交ぜたストロークに、その「自分のテニス」をさせてもらえなかった。 

相手のサーブが絶好調だったことが、守屋には大きなプレッシャーとなったろう。プルシシェズナーの最初のゲームは、エース2本を含むラブゲーム。対する守屋は、いきなりダブルフォルトのスタート。第4ゲームは6度のデュースの末になんとかキープし危機を切り抜けるが、次のゲームで相手は再びラブゲームキープ。ストロークでリズムを作れない守屋は、そこから4ゲーム連取を許してしまう。第1セットは、相手のサービスゲームで1つもポイントを奪えなかった。

守屋宏紀(テニス)
第2セットでは、しぶとく食らいつき徐々に流れを引き寄せるが、相手のサーブを攻略するには至らない。第8ゲーム、4本のブレークポイントをしのぎながらも最終的にブレークを許すと、万事休す。マッチポイントを決めたのも、プルシシェズナーのエースだった。

「今日は相手が良かった。でも、緩いボールを混ぜたりしながら、自分の形を作らなくてはいけなかった……」。

試合後の守屋は、伏目がちに話し悔しさを隠さない。それでも、一週間で5試合の熱戦を戦ったことは大きな収穫だ。

「課題がより明確になった。敗戦からの方が得るものは大きい」

この敗戦を糧に、さらなる躍進を誓った。

※写真:準優勝の守屋(左)、優勝のプルシシェズナー(右)