土居美咲(テニス)1月14日に開幕した全豪オープンの初日で、日本の土居美咲はクロアチアのペトラ・マーティクと対戦し、6-3 6-4で快勝。初めて本戦出場した全豪オープンで、初勝利を飾った。

得意のフォアで、最後まで攻めきった。相手のマーティクは、昨年マリオン・バルトリペトラ・クビトバをも破っている実力者。総合力の高い選手で、特にベースラインからの攻撃力には定評がある。

だが土居は、一歩も引かない。相手はバックにボールを集めてくるが、そのボールが少しでも甘くなるとフォアに回りこんで左腕を一閃、次々と強打を突き刺していく。奪ったウィナーは21本。そのうち14本は、フォアで決めたものだ。
 
精神的にも、この日の土居は安定していた。強風が吹き、多くの選手がコンディションの悪さに苦しめられる中、土居はブレークされても気持ちを切らさず、強いスピンをかけたショットをコーナーに打ち分けた。第1セットは5-3からブレークし奪取。第2セットも、5-4からのブレーク。コーチのサイモン・ウォルシュも「とてもスマートにプレーした。メンタルが強かった」と手放しで喜ぶ内容だ。

土居にとってのグランドスラム勝利は、2011年のウィンブルドン以来。その時は「信じられない気持ちだった」と言うが、今回の勝利に浮かれた様子はない。「嬉しさは、ウィンブルドンの時ほどではない。今回は、チャンスはあると思って挑んでいた」という言葉は、彼女の成長の跡を物語る。昨年HPオープンベスト4など貴重な経験を積んだ21歳は、初めての全豪の挑むに際しても「自分の力がどの程度通じるのかを、楽しもう」と考え、リラックスして挑めていたという。

その自分の力を試すには、次の相手は最適と言えるだろう。2回戦で土居を待ち受けるのは、第2シードのマリア・シャラポワ

「失うものは何もない。食らいついて行けば、チャンスはあると思っている」チャレンジャー精神と黄金の左腕で、番狂わせを狙っている。

※写真は、全豪オープンの1回戦で快勝した土居美咲
Photo by Hiroshi Sato