添田豪(テニス)オーストラリア・メルボルンで開催中の全豪オープンは17日に男女2回戦が行われ、添田豪は第7シードのジョーウィルフリード・ツォンガに、3-6、6-7(1)、3-6で敗れた。

第1セットを失い、迎えた第2セットで主導権を握っていたのは、挑戦者の添田だった。過去の対戦から、ツォンガはフォアよりバックが弱いことはわかっている。第2セット第2ゲームでは、まだ完全にエンジンが温まりきらないツォンガのサーブを果敢に叩き、バックにボールを集めて相手を苛立たせた。添田はサーブも好調で、自分のゲームを難なくキープしていく。5-3サービスゲームでも快調にポイントを重ねて、30-0。ツォンガから初めてセットを奪うまで、あと2ポイントと迫っていた。

だが、ここで添田の心に、とても小さな夾雑物が入り込む。

「ワイドに(サーブを)打とうと思ったが、欲が出て、センターでエースを取ろうと思ってしまった」

そのセンターに放たれたサーブをツォンガは鋭いカウンターで返し、結果、このポイントを添田は失う。「そのあたりから、何か迷いが生まれてしまった……」。結果論になるが、と前置きをした上であげたこのポイントが、試合の流れを決した。

それでも添田は、「前回のウィンブルドンでの対戦時よりは落ち着いていたし、自分のやりたいことができた」と成長の跡をも自覚する。ツォンガも「豪は良いプレーヤー。ボールを凄く低く速く打ってくるので、自分のリズムがつかみにくかった」と対戦相手をたたえた。

昨年のこの時期は、オリンピック出場を目指しチャレンジャーを主体に回った添田だが、今年はこの後、マスターズをも含む北米ハードコートのATPツアーを回っていく。

今後シード選手に勝つために必要なことは、「もっと自分を信じること」だと言う添田。その自信を得るための戦いが、ツアーでは待っている。

※写真は全豪オープン4日目、2回戦で第7シードのジョーウィルフリード・ツォンガに敗退した添田豪
Photo by Hiroshi Sato