ビクトリア・アザレンカ(テニス)
オーストラリアのメルボルンで開催中の全豪オープンは、21日に男女4回戦を行い、第1シードのビクトリア・アザレンカ、第3シードのセリーナ・ウィリアムズがいずれもストレート勝利で快勝。一方で、元世界1位のキャロライン・ウォズニアッキは、元世界2位で今大会ノーシードのスベトラーナ・クズネツォワにフルセットの末に敗退した。

上位シード勢が、圧倒的な力を見せつけた。昨年の優勝者にして世界1位のアザレンカは、今年の前哨戦でキャリア初優勝を果たしたばかりの好調エレナ・ベスニナと対戦。2日前の3回戦でまさかの大接戦を演じたアザレンカだが、この日はリターンゲームでの集中力が凄まじかった。コイントスで勝つとリターンを選び、最初のゲームをいきなりブレークに成功。その後も高い集中力を維持し、あっという間の4ゲーム連取。第1セットを、わずか29分で奪取した。

第2セットに入っても、女王は掌握した流れを手渡さない。リターンを深く鋭く返し、常にラリーで主導権を握っていく。大会2週目に入りギアを上げた前年優勝者が、6-1、6-1で圧勝した。

圧倒的な力を見せたという点においては、第3シードのセリーナ・ウィリアムズも負けていない。今大会時速207キロを記録したサービスが、世界15位のキリレンコを圧倒した。この日の最速サーブも時速201キロを計測。しかもファーストサービスが87%の確率で決まるのだから、キリレンコが「勝利への希望が全く持てなかった」とお手上げ状態なのも致し方ない。スコアは、6-2、6-0。試合時間は、アザレンカ対ベスニナ戦と同じ57分。「私は世界の15位なのに、こんなに絶望的な気分にさせらるなんて…」という敗者の言葉が、セリーナの圧倒的な強さを雄弁に物語っている。
 
そのセリーナが準々決勝で対戦するのは、ボヤナ・ヨバノフスキを6-1、3-6、7-5で破った19歳の新鋭スローン・スティーブンス。セリーナをアイドルと仰ぐ19歳が「セリーナは、今では私の良い友人。色々と楽しいことをおしゃべりするの」と言えば、セリーナは「私は彼女(スティーブンス)のことを尊敬している。何も失う物はないという気分」と無邪気に応じた。
 
もう一つの試合では、元世界1位のキャロライン・ウォズニアッキを、ノーシードのスベトラーナ・クズネツォワが6-2、2-6、7-5で撃破。グランドスラム7大会ぶりのベスト8に進出したクズネツォワは、明後日の準々決勝でアザレンカに挑戦する。

※写真は4回戦で完勝したビクトリア・アザレンカ
Photo by Hiroshi sato