ソニー・オープン4回戦でフェレールと対戦した錦織圭(テニス)
米国フロリダ州マイアミで開催中のソニー・オープンは、現地26日、男子シングルス4回戦が行われ、第13シードの錦織圭は第3シードのダビド・フェレールと対戦。4-6、2-6で敗れ、ベスト8進出は成らなかった。

過去の対戦回数が多ければ、それだけ互いに相手の情報を持ち、試合前に考えるべきことも増えていく。2カ月前の全豪オープンでフェレールにストレート負けを喫した時、錦織は「リスクを負って攻めすぎ、ミスが増えた」ことを悔いた。そのこともあってか、今回は長い打ち合いも覚悟したろうが、そのことが「守り気味で、ボールを入れに、いきすぎてしまった」ことにつながったのだから、テニスは難しい。「リターンが重要だと思っていた」というフェレールは、立ち上がりから錦織のサーブを確実にコーナーに返し、そこから先にラリーを展開していく。錦織は最初のサービスゲームをブレークされ、いきなり0-3の劣勢に立たされた。

これで、積極的に行く気持ちが芽生えたか、まずは自分のサービスゲームでフォアの強打を連続で叩きこみキープすると、以降は互角に渡り合う。3-5からの相手のゲームをブレークバックし、スコア的にも並ぶチャンスを得た。

だが続くサービスゲームで錦織は、デュースの場面でダブルフォルト。「それほどプレッシャーを掛けられていた訳ではなかったのに、自分でリスクを負いすぎてしまった。もったいないポイントだった」

その次のポイントは取るものの、続く2つのポイントで、フェレールは錦織を圧倒する攻めを見せる。再びブレークに成功したフェレールが、第1セットを先取。錦織とフェレールは過去4回の対戦し2勝2敗で星を分けているが、いずれも第1セットを取った方が勝利を手にしている。流れを掴みかけながらも逃した錦織にとり、第1セットを落としたことは、精神的にも大きな負荷となったはずだ。

逆にセットを奪い勢いに乗るフェレールは、一気に試合を決めにかかる。互いにゲームをキープしフェレールの2-1で迎えた、錦織のサービスゲーム。15-40とフェレールがブレークチャンスを手にした場面で、両者は37本の濃密なラリーを交わした後に、錦織が力尽きたようにフォアのストロークをミスしてしまう。体力にまさるフェレールが試合の流れを手中に収めた、象徴的なシーンであった。

2カ月前の全豪オープンに続き、フェレールにベスト8進出を拒まれた錦織は「悔しさは残る。もっと善戦したかったです。この経験を生かして、次ではもっと戦い方を変えていきたい」と雪辱を誓った。

――試合を振り返ってみて。
錦織:やっぱりフェレールはしぶとかったですね。どんなボールも食らいついてきて、イージーなポイントはほとんどなく、自分のアンフォーストエラーはいつもより多かった。サービスでも主導権を握れなかったのが敗因です。

――サービスは、100%で打てていたのか?
錦織:前回の試合と同じく、100%で打てたのは数本しかなかった。

――ケガを悪化させたくないという不安などはあったのか?
錦織:今回は、ケガの心配はあまりなかったです。サービスは打てなかったけれど、ストローク戦でも勝てていなかった。彼のしぶとさに対応しきれず、攻めきれなかったというのもあります。

写真は、ソニー・オープン4回戦でフェレールに敗れた錦織
Photo by Hiroshi sato