現在、オランダのスヘルトヘンボシュで開催されているトップシェルフ・オープン。ウィンブルドン直前の大事な前哨戦ですが、とある女子シングルス1回戦終了後にとても心温まる出来事がありました。

この物語の舞台となったのは、元世界ランク30位のミカエラ・クライチェック(25歳、米国)とヤナ・ツェペロバ(21歳、スロバキア)の対戦後のコートでした。試合はクライチェックがフルセットで勝利、荷物を持ってコートを後にしようとしたところ、意外な人物がコートに登場、クライチェックの行く手を阻んだのでした。

ここで登場したのは、クライチェックが交際している男子選手、マルティン・エメリッヒ(29歳、ドイツ)その人でした。エメリッヒはダブルスを中心にツアーを回っている選手で、ダブルス世界ランクは35位。これまでにツアーでダブルス3勝を記録しています。

ここでマイクを持ったエメリッヒが言います。「1年前のここで、君と初めて出会った魔法のような瞬間を覚えているよ」。さらに続けて「僕らが付き合い始めて10か月になるけど、その大きくてきれいな目を見つめるたびに、残りの人生を君と過ごしたいと思うんだ」

ここまでくればお分かりでしょう。エメリッヒは公開プロポーズという大仕事をしに、コートに現れたのです。

最後はコートに膝をつき、「結婚してくれるかい?」と尋ねるエメリッヒに対し、クライチェックの答えはもちろん「YES」!勝利とともに、婚約指輪を手に入れたクライチェックでした。