11日、男子テニスツアーの最終戦であるATPツアー・ファイナルはロンドンのO2アリーナでシングルス決勝が行われ、第2シードのノバク・ジョコビッチ(26歳、セルビア)が第1シードのラファエル・ナダル(27歳、スペイン)に6-3、6-4のストレートで勝利、今大会2連覇を達成した。全勝でタイトルを勝ち取ったジョコビッチは、賞金として192万3000ドルと1500のランキングポイントを獲得した。

44年間で5度目となったナンバー1とナンバー2による決勝、第1セット第2ゲームでブレークに成功したジョコビッチが3-0とリードを奪うが、対するナダルもブレークバックに成功するなど、お互いに一歩も引かない展開となる。

ゲームカウント3-4で迎えたナダルのサービスゲーム、30-30からナダルがダブルスフォルトを犯すと、ジョコビッチがチャンスをいかして2度目のブレークに成功。ブレークポイントでは両者ともにコートを縦横無尽に駆け回り1ポイントを競ったが、最後はジョコビッチの粘りがポイントを引き寄せた。

第2セットに入ると試合の流れはジョコビッチに傾き、第3ゲームで早々にブレーク。第7ゲームでもジョコビッチにブレークチャンスが訪れたが、ここはナダルが何とかサービスキープに成功する。そして第9ゲーム、ここでもジョコビッチにブレークチャンスとともにマッチポイントのチャンスが。しかし、ナダルはこのピンチを切り抜ける。

そして迎えた第10ゲーム、ジョコビッチのサービスゲームで30-0から30-30とナダルが最後の粘りを見せたが、3本目のマッチポイントでナダルのフォアハンドがラインを割ってゲームセット。その瞬間、ジョコビッチの大会連覇が決まった。

「今日の試合で1つだけ違いがあったとすればサーブだね」とナダルが語ったように、試合を通してナダルが獲得したブレークポイントはわずか3ポイント。対するジョコビッチは、試合を通して11本ものブレークチャンスを獲得していた。

ナダルとの対戦成績を17勝22敗としたジョコビッチは「僕らはお互いを限界まで追い込みながら、もっと良いプレーを引き出すような存在。対戦するときは、お互いに厳しい戦いを余儀なくされる。いつも大きなチャレンジだよ」と、ナダルとの関係を語っている。

ボリス・ベッカー、ジョン・マッケンローに並んで最終戦3勝目を果たしたジョコビッチ。「来シーズンに向けて、新たなモチベーションが湧いてくる。まずは体を休ませるけど、それから全豪オープンに向けて準備を始めるよ」と、早くも来年を見据えていた。

ジョコビッチは15日から始まるデビスカップ決勝にも出場する。「ATPのシーズンを終えるには、間違いなく最高の形だね。あと数日でデビスカップの決勝があるけど、母国にまたタイトルを持ち帰りたいね」と、さらなるタイトルへの意欲も見せている。