22日、オーストラリアのメルボルンで開催されているテニスのグランドスラムである全豪オープンは女子シングルス準々決勝2試合が行われ、第20シードのドミニカ・チブルコバ(24歳、スロバキア)と第5シードのアグニエシュカ・ラドワンスカ(24歳、ポーランド)がそれぞれ勝利、ともに今大会では初となる決勝進出をかけて対戦することとなった。

この日の第1試合に登場したチブルコバは、第11シードのシモナ・ハレプ(22歳、ルーマニア)と対戦。これまで通算4回目のグランドスラム準々決勝の経験があるチブルコワに対し、ハレプは今回が初めての大舞台。緊張からかミスが先行するハレプに対し、チブルコワはミスを抑えたプレーでポイントを重ね、6-3、6-0のストレート勝ちを収めた。

4回戦では第3シードのマリア・シャラポワ(26歳、ロシア)を破る殊勲をあげていたチブルコバは「マリアに勝ったあとなのに、精神的に落ち着いていられて満足です。自信をもってコートに入り、するべきことに集中しました。それだけが必要なことでしたし、自分のテニスを楽しめました」と、喜びのコメント。

またチブルコバは「すでにこの舞台を経験していたことが大きかったです。グランドスラムの準決勝は何回か経験していますし、準決勝にも進出したことがあります。今日はその経験が重要でした。真剣にとらえすぎたり、自分にプレッシャーをかけることもありませんでした」と、大舞台でプレーする経験の大切さを述べている。

元世界ジュニアランキング1位のハレプは、2008年にプロ転向した当初から高いポテンシャルを評価されていたが、昨シーズンは5大会でタイトルを獲得するなど一気に才能が開花。世界ランキングを11位まで上げていたが、この日は「試合前からとても緊張していて、ボールの感触がなかった」というように、実力を発揮できなかった。

2009年の全仏オープン以来となるメジャー4強入りを果たしたチブルコバは、準決勝でラドワンスカと対戦する。ラドワンスカはこの日、ディフェンディング・チャンピオンで第2シードのビクトリア・アザレンカ(24歳、ベラルーシ)を6-1、5-7、6-0のフルセットで破り、自身3度目となるメジャー4強入りを果たした。

派手さはないものの、ち密な戦術と正確なコントロールでゲームを組み立てるラドワンスカと、リスクを恐れずアグレッシブな姿勢でポイントを奪うアザレンカ。好対照な2人の試合は、まさにプレースタイルを反映した内容となり、第1セットはミスが先行したアザレンカに対し、ラドワンスカが無理なくポイントを重ね、セットを先取する。

第2セットに入ると、今度は当たりが出始めたアザレンカが流れを引き戻し、2度のブレークでセットを奪取。試合を振り出しに戻す。このまま接戦になるかと思われたが、第3セットはまさかのワンサイドゲームとなりラドワンスカが勝利。今大会5度目の準々決勝で、初めてのベスト4入りとなった。

試合を通して決めたウィナーでは、アザレンカが33本とラドワンスカの22本に差をつけたが、凡ミスの数では15本に抑えたラドワンスカに対し、アザレンカは47本と、多くのポイントを自ら失っていた。

アザレンカは今大会3連覇がかかっていたが、準々決勝で夢破れることとなった。

ラドワンスカとチブルコバはこれまでに6度の対戦があり、ラドワンスカが5勝1敗とリードしている。直近の対戦は昨年の東レ・パン・パシフィックオープンの3回戦のことで、その時はアザレンカがストレート勝ちを収めている。