23日、女子テニスツアーのリオ・オープンはシングルス決勝が行われ、第5シードの奈良くるみ(22歳)が第1シードのクララ・ザコパロバ(31歳、チェコ)を6-1、4-6、6-1のフルセットで破り、自身初のツアータイトルを獲得した。

これまでのツアー大会では、昨年のHPオープンでのベスト4が最高成績だった奈良。初の決勝の舞台で第1セットを先制すると、第2セットでは3度もリードを奪う展開となったが、世界ランク35位のザコパロバに逆転を許し、タイトルの行方はファイナルセットへ。そのファイナルセットで奈良は、相手に1度もサービスキープを許さず、2時間3分で嬉しい初タイトル奪取となった。

「彼女は良いプレーをしていて、とても大変な試合でした」と試合後の奈良。「第2セットでは優勝のことを考えすぎた」と、初タイトルへのプレッシャーもあったが、「第2セットを落とした後、第3セットでは良いブレークもあり流れを取り戻すことができた。1日を勝利で終えられて嬉しい」と素直に喜んだ。

昨年の今頃は世界ランク100位台だった奈良は、最近6ヶ月で目覚ましい活躍を果たしている。グランドスラムではUSオープンと全豪オープンで3回戦に進出、地元大阪で開催されたHPオープンでベスト4、そして今大会でツアータイトルを獲得した。

「今はただ、とても嬉しいです。早く家に帰って、みんなに話したいです」

また今大会後に発表される世界ランキングで、トップ50入りすることを告げられた奈良は「信じられません。今年はトップ50に居続けられるようにしたいです。日本のナンバー1になることは考えていませんでした。毎日、自分のプレーに集中しただけです。どんな時でもベストを尽くし、初めてのWTAタイトルを手にしました。今は、とても嬉しいです」と、新たな目標を口にした。

この優勝で奈良は、日本女子テニスにおいて史上9人目となるWTAツアーのタイトルホルダーとなった。過去の優勝経験者には、沢松和子、井上悦子、岡本久美子、沢松奈生子、クルム伊達公子、遠藤愛、杉山愛、そして森上亜希子らが名を連ねており、ここに奈良も加わる。また、日本の女子選手がツアー優勝するのは、2009年のソウル・オープンで優勝したクルム伊達以来のこと。

リオ・オープン

シングルス
決勝

○奈良くるみ[5] 6-1 4-6 6-1 ●クララ・ザコパロバ[1]

準決勝

○奈良くるみ[5] 6-4 3-6 6-2 ●ナターシャ・ブルネット[Q]

準々決勝

○奈良くるみ[5] 7-6(5) 2-0 ret. ●ルルド・ドミンゲスリノ

2回戦

○奈良くるみ[5] 6-0 7-6(3) ●アナ・レナ・フリーサム

1回戦

○奈良くるみ[5] 6-3 6-2 ●シェ・スーウェイ