10月31日(金)、パリ真夜中。2014年の男子プロテニスツアー最終戦BNPParibasマスターズ。錦織圭の準々決勝が行われた。
錦織にとってこの試合は単なる準々決勝だけでなく、勝てば年間成績トップ8名によるエリート大会ATPファイナルの出場が決まる大事な一戦だ。
第4シードのフェレールと対戦、第1セットを落とし、第2セットはタイブレークで2-5とあと2本で負けてしまうと言う大ピンチの状況に陥る。しかしそこから逆転、自力でATPファイナル出場を勝ち取った。
「すなおに嬉しい。長い試合を勝ち切れたので。
苦しい試合だったが、自分からいけたのが嬉しい。」と錦織。日本人プレーヤーとしてそしてアジア人プレーヤーとして初の大快挙を成し遂げた。

気になるATPファイナル出場を賭けたレースランキング。この大会が始まる前までにすでに1位ジョコビッチ、2位フェデラー、3位ナダル、4位ワウリンカと7位のチリッチ(USオープン優勝で)はATPファイナル出場を決めている。(ナダルは盲腸炎でATPファイナル不出場)そのため残るは4つの枠だった。
昨日、第5位のマレーが8強入りをした事でATPファイナル出場を決めた。
そして今日はベルディヒが第1試合で勝った事により出場を決めている。第2試合に登場したラオニッチはフェデラーに競り勝ち、ポイントを加算、希望を残している。
残るは2枠、錦織、ラオニッチ、フェレールで下の表のようにレースを争っている。

レースランキング
ジョコビッチ 9,010--->9,370
フェデラー 8,520--->8,700
ナダル 6,835
ワウリンカ 4,805--->4,895
マレー 4,295--->4,475
6 錦織圭 4,265--->4,445
チリッチ 4,150
ベルディヒ 4,105--->4,465
フェレール 3,865--->4,045
10 ラオニッチ 3,840--->4200
--->の数字が錦織対フェレール戦直前までのポイント加算。錦織がもし負けたらラオニッチ、フェレールに追い越されてしまう可能性が残ってしまう。

そんな状況下、この日の最終試合、錦織対フェレールの試合が始まった。プレッシャーがかかる中、錦織は果たしてどんなプレーができたのだろうか?

<ATPファイナルを決めた準々決勝詳細>
〇6)錦織圭 3-6 7-6(7-5) 6-4 ●4)D.Ferrer(ESP)

いきなりオープニングゲームをブレークした錦織。
サーブをキープし、2-0と幸先の良いスタートを切る。

ラリー戦が続く、平均20回以上と言っても決して大げさではない。
基本的にはバックのラリー戦、先にダウン・ザ・ラインに行くのは錦織。
先に攻めて決められるか?あるいはフェレールが守りきるか?

第4ゲーム、錦織のサーブ、フェレールがレシーブで先に攻めてきた、15-40。
バックのラリー戦をワイドにしてしまい、錦織はサーブを落とし、2-2となってしまう。

錦織対フェレール対戦成績は錦織の4勝3敗、いつも競り合っている。

第6ゲーム、錦織のサーブで30-40、
11回のラリー戦、フォアをネットにし、またサーブをブレークされる。(錦織2-4)

フォアのドロップ・ショット、ドロップ・ショット返しのコースを読み、30-40とするが、
デュース3回の末にフェレールがキープ、
なんとフェレールは0-2から5ゲーム連取だ。

錦織のサーブで2-5、30-40など、セットポイントを2度握られる。
ダブルフォルト、フォアのロングなどでゲームポイントを逃したが、デュース4回の末にキープした。

5-3、30-30からフェレールはナイス・サーブを連発キープ。
第1セットはフェレールが取る。

第2セット

先にフェレールがブレークに成功するが錦織がすぐにブレーク・バック。(1-1)

第4ゲーム、フェレールのサーブ、30-40とブレーク・チャンス。
そのチャンス、24回のラリー戦、錦織がミス、デュースに。
フェレールがキープする。(2-2)

第6ゲーム、ダウン・ザ・ラインを決め、0-40
15回のラリー戦を制し、ブレーク、4-2とリードする。

リードしたが、ミスが重なり、と言うかフェレールが諦めずにしぶとくプレーしブレーク・バックする。(錦織4-3)

フェレールも0-40とまたピンチ、
30-40のポイント、フェレールがアプローチをネット、錦織がブレーク5-3とリードだ。

が、また錦織キープできない。
ここ4ゲームはブレーク合戦。(錦織5-4)

結局、タイブレークに

錦織、フォアをネット、先にミニ・ブレークを許す。(0-1)

第4ポイントはフォアのパッシング・ショットをクロスに決められ、2つ目のミニ・ブレークを許し、0-4と大ピンチ!

2-5、とあと2ポイントで負けが決まるところまで追い詰められた!

錦織は2ポイント自分のサーブを取り、4-5とする。

フォアのクロスボレーを決め 5-5と追いつく
左右に振り勝ち、6-5とセットポイントだ!

ボディーへのサービス・エース級で7-5と取り返す。

タイブレーク2-5、あと2本で負けてしまう状態からの5ポイント連取だ!

ファイナル・セット

2-2、フェレールの40-15からデュースに持ち込む
3度目のデュースの末にブレーク、錦織は3-2とする。

が続くサーブを落とし、3-3。

第9ゲーム、凄いポイントの応酬、錦織がバックボレーで決めた。今日のHotShot、30-40!
ラリー戦に勝ち、5-4とする。

5-4、錦織のサービング・フォ・ザ・ATPファイナル

19回のラリー、ダウン・ザ・ラインを決め15-0、
フェレールのバックはワイド、30-0、
フェレールのリターンはワイド、40-0、
Tへサービス・エース級、フェレールのリターンはロング!

勝った!!!
2時間44分の末に勝利

ATPファイナル出場だ!
10月31日のま夜中、正式には現地パリ時間11月1日0時35分。
錦織圭がまた日本そしてアジアのテニス史を塗り替えた。

大会名:BNP Paribas Masters
ATPカテゴリー:€3,452,415 ATPMasters1000 パリ室内
賞金総額:約5億円(€3,452,415)
優勝賞金:約8千万円(€522,100)
48ドロー、室内ハード・コート
会場:Palais Omnisports Bercy パリ、フランス
期間:10/27-11/2,2014

<準決勝>
6)錦織圭 vs 1)N.Djokovic(SRB)
5)T.Berdych(CZE) vs 7)M.Raonic(CAN)

錦織ジョコビッチ対戦成績2勝1敗

オーダー・オブ・プレー
ライブスコアー
パリ時刻(時差-8時間、日本の方が8時間進んでいる)

<準々決勝>
〇1)N.Djokovic(SRB) 75 62 ●8)A.Murray(GBR)
〇6)錦織圭 36 76(5) 64 ●4)D.Ferrer(ESP)
〇5)T.Berdych(CZE) 67(4) 64 64 ●14)K.Anderson(RSA)
〇7)M.Raonic(CAN) 76(5) 75 ●2)R.Federer(SUI)

<3回戦>
〇1)N.Djokovic(SRB) 63 76(2) ●G.Monfils(FRA)
〇8)A.Murray(GBR) 63 63 ●9)G.Dimitrov(BUL)
〇4)D.Ferrer(ESP) 61 62 ●F.Verdasco(ESP)
〇6)錦織圭 61 46 64 ●10)J.Tsonga(FRA)

〇5)T.Berdych(CZE) 75 63 ●12)F.Lopez(ESP)
〇14)K.Anderson(RSA) 67(2) 75 76(3) ●3)S.Wawrinka(SUI)
〇7)M.Raonic(CAN) 75 76(7) ●11)Bautista Agut(ESP)
〇2)R.Federer(SUI) 64 64 ●Q)L.Pouille(FRA)

<2回戦>
〇6)錦織圭 67(4) 62 63 ●ロブレド(ESP)
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錦織圭 データー 1989年12月29日生まれ 24歳

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(記事 塚越 亘 写真 佐藤ひろし/テニスジャパン