doi20090409_stand.jpg土居美咲は、1991年生まれの17歳のプロテニスプレーヤー。多彩なショットとサウスポーから繰り出されるショットで独特のリズムを持つテニスをする。サウスポーを活かしたサーブや、思いっきりのよいストロークの他、スライスやボレーなどありとあらゆるショットを使うことができる。

土居美咲が、プロに転向したのは2008年(平成20年)12月4日。国際大会プロ第一戦となった2009年3月末の山梨ITFで優勝するという勝負強さを見せた。

プロ転向記者会見で見せる意気込み

プロに転向第1戦優勝の翌日の3月30日に、プロ転向記者会見が行われた。そこでは記者たちに対し、しっかりと自分の言葉で応対し、機転のきいた回答をみせた。

「テニスを始めた時から今まで、自分はグランドスラムの大会であるウィンブルドンのセンターコートに決勝戦で立つことを夢に見てプレーをしてきました。今回プロに転向したことで、自分の夢に一歩近付いた気がします。自分の得意なショットであるサービスとフォアハンドを武器に夢を手に入れたいと思います。」

「プロ転向一年目の目標は、国内・アジアを中心にツアーを回りますが、グランドスラムの予選に出場出来るぐらいのランキング(200位以内)を目指して頑張ります。」

「これからも、ファンの皆様への感謝の気持ちを忘れず、プロになった自覚と責任を持ち頑張っていきたいです。」

クルム伊達公子からの課題

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記者会見には、TEAM自由が丘(チーム自由が丘)のジェネラルアドバイザーでもあるクルム伊達公子から、メッセージが届いていた。そこでは、激励の言葉とともに、プロ選手として大先輩であるクルム伊達公子からの課題やプロとしての心がけも提示されていた。

  • 期待とプレッシャーを感じながら楽しむこと。
  • プロの世界はジュニア時代とは違い厳しい世界になることを覚悟すること。
  • 海外という普段とは違うコンディションに打ち勝つこと。
  • 怪我など辛い時もあるかもしれないが、目先の目標だけにとらわれないことが大切。
  • 周りで支える人々がいることが励みになる。
  • 一日一日を大切にする練習と試合の毎日が自分に返ってくる。

こういった課題やプロとしての心がけを伝えた後に、クルム伊達公子は、「またどこかの試合会場でお会いしましょう。」と締めくくる。

現在、土居美咲より上のグレードの試合を主戦場にするクルム伊達公子からの最後の言葉は、土居美咲にとって大きな目標であり、最高の励ましであった。

土居美咲の今後に2つの課題と大きな可能性

テニス的にはどうなのか。プロ転向第1戦を優勝で飾るという楽しみな活躍を見せる土居美咲だが2つ課題がある。同時に、それは大きな可能性でもある。

1、「試合中の自己分析」「戦術の変更やプレーの修正」

短いスパンで見れば、今後を左右するのは何と言っても、その試合運びであろう。

あらゆるショットを使いこなし、どのようなプレーもできるとはいえ、ただ「できる」だけではプロでは通用しない。流れや相手の調子を考え、試合中でも自己分析を行いながら、プレーの選択を変更し、戦術を変更する必要がある。

同時に、調子の悪い時等にも、試合中に自己分析を行いながら、戦術の変更やプレーの修正を行う技術も学んでいく必要がある。

本来、これらは、プロテニスプレーヤーが現役時代を通して、学び伸ばしていくものである。だが、土居美咲にとっては、直近の大きな課題の一つであると言える。

土居美咲は、武器を持ち、個性を持つプレーヤーだ。だからこそ、早い時期からその武器や個性を活かした戦い方や、自分なりの試合運びの修正方法のポイントを作っておく必要があるからだ。同時に、これは土居美咲が持つ無限の可能性を意味している。

2、武器の強化とそれらをよりよく見せる戦術

土居美咲には、左利きを活かしたサーブや強烈なフォアーハンド等の武器がある。無論その武器も発展途中であり、今後より強化されていくことは間違いないであろう。

だが、体の大きくない土居美咲にとってはその武器を単に強化すればよいというものではない。爆発的なパワーという点では、体の大きな相手と勝負しきれるものではないからだ。

そのため、「決定力を上げるための配給」や「武器をより強く相手に印象付けることにより、それ以外のプレーでも効率よくポイントを取れるようになること」等を磨いていくことが重要になる。

この2つの課題やクルム伊達公子から投げられたプロとしてのあり方は、一朝一夕に成るものものではないが、土居美咲のプレーを見ているとその可能性を信じたくなる。後は土居美咲が自分自身を信じ続けることができれば、自然と成長していくことは間違いない。

TEAM自由が丘(チーム自由が丘)

地域が「TEAM自由が丘」を通して生み出す価値とは

所属先となる「TEAM自由が丘」は、地域がスポンサーになり選手を応援するという制度を持つ。「”自由が丘”から世界で活躍できるテニスプレーヤーを発掘・育成することを目標に発足した」とうたう。

その意義は、単にテニス選手を育てるという一義な意味以上に大きい。土居美咲の記者会見からもわかるように、「TEAM自由が丘」は17歳ながらも、周りからの尊敬に足りる「人」を育てている。

テニス(スポーツ)が持つ「地域コミュニティの力」「人間教育の力」を、「TEAM自由が丘」は実証している。そして、「TEAM自由が丘」の想いに賛同し参加している会員一人一人が、それに貢献しているのだ。

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土居美咲情報

プロフィール
  • 所属 TEAM自由が丘
  • 生年月日 1991年4月29日
  • 出身地 千葉県
  • プレー 左
  • テニスを始めた年齢 6歳
1991年のライバル

1991年生まれの女子には、奈良くるみや山外涼月等の刺激し合えるライバルがいる。プロ転向記者会見では、その自信について聞かれ、「もちろんあります」と答える。

#奈良くるみ:土居美咲のグランドスラムのダブルスパートナー、2008年の全日本選手権では伊達公子に敗れるも、準々決勝進出。
#山外涼月:土居美咲と同じく千葉出身。土居美咲と同じくナショナルチームのメンバー。

戦績
2009年 春季ロイヤルSCオープンシングルス:優勝
2009年ナショナルチームB選出
全日本室内シングルス:ベスト8
ITF 甲府 $10,000シングルス:優勝
2008年 全豪オープンジュニアダブルス:準優勝
ITF G1 フィリピンダブルス:準優勝
ジャパンオープンジュニアシングルス:ベスト4 ダブルス:優勝
20年度日本オリンピック委員会オリンピック強化指定選手認定
日本テニス協会ジュニア大賞受賞
ウィンブルドンジュニアダブルス:ベスト4
ITF宮崎国際 $25,000ダブルス:優勝
U18全日本ジュニアシングルス:準優勝
ITF G1 カナダオープンジュニアダブルス:優勝
ITF 牧の原 $25,000シングルス:ベスト4
2007年 ITF埼玉国際ジュニアシングルス:準優勝
ITF G2 チリダブルス:優勝
ITF G2 アルゼンチンダブルス:準優勝
ITF G2 ウルグアイダブルス:準優勝
ジャパンオープンジュニアシングルス:準優勝
トヨタジュニアU16シングルス:ベスト4
ウィンブルドンジュニアダブルス:準優勝
U18全日本ジュニアシングルス:ベスト4
USオープンジュニアダブルス:ベスト4
2006年 ITF G5 埼玉国際ジュニアシングルス:優勝
トヨタジュニアU16シングルス:準優勝
日本テニス協会ジュニア大賞受賞
ITF東京有明国際 $10,000シングルス:ベスト4
ITF G4 インドネシアダブルス:優勝
U16全日本ジュニアシングルス:ベスト4
全国中学生テニス大会シングルス:第3位 ダブルス:第3位
U15中牟田杯全国選抜ジュニアダブルス:優勝
2005年 全国選抜ジュニア兼ワールドジュニア代表選考会U14シングルス:優

ワールドジュニア決勝大会(チェコ)U14日本代表:団体準優勝
全国中学生テニス大会シングルス:第3位