「僕は錦織の大ファンだ。最高のバックハンドの持ち主だからね。ケイのバックハンドが大好きだよ。セカンドサービスのリターンも素晴らしいね。」

“テニス界のレジェンド、歴史上最高の選手”と言われるロジャー・フェデラー(35歳、スイス)。今季メジャー大会開幕戦の全豪オープンテニスで5年ぶり18度目の4大大会優勝を飾った彼が、錦織圭(27歳、日清食品)との対戦前に語った。

錦織圭は過去6度の対戦で2度の勝利を挙げていた。今回の全豪オープン4回戦での対戦が7度目の対戦となったがフルセットの末に惜敗している。

試合後にフェデラーは「ケイとの5セットマッチは大きな喜びだったよ。グランドスラムでは初対戦だったし5セットでの戦いはいつだって特別さ」と素晴らしい戦いに対する充実感を言葉にしていた。

しかし、全豪オープン決勝戦後には「彼は努力を続ける以外はないですね。そして彼の身体が2週間の厳しい戦いに耐えられる身体にすることが必要です。メンタルな強さも必要です。いつも勝者のメンタリティーが身についていることが大事になってきます。」とアドバイスを送っている。

そして「常に勝者のメンタリティーを身につけているという事で、それが出来ているかいないかで差がつきます。」と過去に最も長く世界ランク1位として君臨したフェデラーらしい言葉で締めくくている。

決勝でフェデラーが戦ったライバルのラファエル・ナダル(30歳、スペイン)についての印象を求められた時は、「誰も真似できないショットを持つ特別な存在だよ。何時間も何日も何週間もハイレベルなプレーが出来るとんでもないメンタルとフィジカルを持っているんだ。」と錦織とは対照的にナダルのメンタルとフィジカルの強さについて語っていた。

では、フェデラーのいう勝者のメンタリティーとは。決勝前に対戦するかもしれないナダルについて問われた時、彼は「対戦相手が誰であろうと勝利に集中するだけ」と言った。どんなタフな選手と対戦しても勝利者になることを強く信じる事だったのかもしれない。

記事:長嶋秀和