7月10日 ウィンブルドン DAY 07

7日目を終え、男女シングルス8強が決まった。

日本勢では、女子ダブルスで二宮真琴(橋本総業)/ボラコバ(チェコ)組が、グランドスラム初のベスト8入りを決めた。

日本女子がウィンブルドン・ダブルスで8強入りしたのは2013年の青山修子以来4年ぶりの快挙。
次戦は準々決勝で、クズネツォワ(ロシア)/ムラデノビッチ(フランス)と対戦する。

[混合ダブルス2回戦]
混合ダブルスでは、綿貫裕介/二宮真琴組(共に橋本総業)、穂積絵莉(橋本総業)/ Raja(インド)組、は2回戦で惜敗した。

初ミックスを楽しめた穂積絵莉

 

二宮真琴ダブルス ベスト8の快挙

(ライター/内田暁)

「あっ。これ、ミックスと一緒だ……」

第1セット5-4とリードした第10ゲームでサービスラインに向かう時、二宮真琴の脳裏に、二日前の“悪夢”がよぎった。

それは、ミックスダブルスの2回戦――第4シードのミルザ/ドディグと対戦した二宮/綿貫裕介組は、第1セットでブレークアップし、二宮のサービスゲームを迎えていた。しかしセットポイントがありながらも、二宮のダブルフォルトで好機を逃す。試合後に「悔しい」と何度も何度もこぼした、忘れ難い痛恨のプレーだった。

それから二日後――女子ダブルスの3回戦で二宮とボラコワのペアは、第5シードのフラデツカ/シニアコワ相手に、セットポイントを迎えていた。

一瞬、混合ダブルスでの嫌な記憶に、飲まれそうになる二宮。
だが「ミックスと同じになるのは嫌だ! 今日は思いっきり攻めよう」と自らに言い聞かせ、腕を振り抜くことに集中した。果たしてセンターに打ち込まれた切れ味鋭いサーブは、相手のラケットをかすめてウイナーとなる。

「ミックスの反省をすぐに活かせたのが、今日の一番良かったところ」。

意思の強そうな相好が、ふわりと和らぎ笑みがこぼれた。

混合ダブルスから得た利点は、セットポイントの緊張を切り抜けられただけではない。
男子の高速サーブやストロークを受けたことで、相手のパワープレーや球速にも、十分に反応できるようになる。今年2月の対戦時には「凄く速い」と感じたフラデツカのサーブも、今回は「しっかり見て返す」ことが出来た。いずれのセットも序盤にブレークし、その差を守りきる完勝だ。

子供の頃から憧れた、ウィンブルドンでのベスト8進出。
だが二宮に嬉しさや満足感は、まださほど無いという。
その理由は、「全豪で穂積(絵莉)さんと加藤(未唯)さんがベスト4に入っている。まだ負けているというか、追いつけていないので」。今年1月、メルボルンで躍進する同期二人の姿を見て、「あの二人に出来るなら、わたしも」との決意を募らせた。

だからこそ今大会で二宮が目指すのは、二人に追いつき、追い抜くこと。まずは次も勝利を手にし、肩を並べにいく。

綿貫裕介・二宮真琴 混合ダブルス出場の秘話【ウィンブルドン/全英】

7月8日 ウィンブルドン DAY 06 女子ダブルスとミックスダブルスで日本選手達が頑張っている。 女子ダブルス2回戦 〇二宮真琴/ボラコバ(チェコ) 6-4,7-6(4) ●ロブソン/Rae(…

女子ダブルス

<<女子ダブルス準々決勝>>
二宮真琴/ボラコバ(CZE) vs クズネツォワ(RUS)/ムラデノビッチ(FRA)

<<女子ダブルス3回戦>>
〇二宮真琴/ボラコバ(CZE) 64 64 ●5]ハラデツカ/シニアコバ(CZE)

<<女子ダブルス2回戦>>
〇二宮真琴/ボラコバ(CZE) 64 76(4) ●ロブソン/Rae(GBR)
〇ゲルゲス(GER)/ストリコバ(CZE) 64 62 ●青山修子/YANG(CHN)
〇バーティ/デラクア(豪州) 36 63 10-8 ●土居美咲/荘佳容(TPE)

<<女子ダブルス1回戦>>
〇二宮真琴/ボラコバ(CZE) 61 62 ●BOSERUP/MCHALE(USA)
〇青山修子/YANG(CHN) 63 67(5) 62 ●RODINA/VIKHLYANTSEVA(RUS)
〇土居美咲/荘佳容(TPE) 64 61 ●KALASHNIKOVA(GEO)/SCHIAVONE(ITA)
〇13]FLIPKENS(BEL)/MIRZA(IND) 64 63 ●大坂なおみ/張帥(CHN)
〇Q)ADAMCZAK/SANDERS(AUS) 61 62 ●16]穂積絵莉/加藤未唯
〇LUCIC-BARONI(CRO)/PETKOVIC(GER) 62 36 63 ●日比野菜緒/ロソルスカ(POL)
〇Bellis(USA)/Vondrousova(CZE) 62 60 ●大前綾希子/ムーア(豪州)
女子ダブルスドロー

混合ダブルス

<<混合ダブルス2回戦>>
〇4]ドディグ(クロアチア)/ミルザ(インド) 76(5) 62 ●綿貫裕介/二宮真琴
〇11]ネスター(カナダ)/クレパーチ(スロベニア) 62 75 ●穂積絵莉/Raja(IND)

<<混合ダブルス1回戦>>
〇綿貫裕介/二宮真琴(橋本総業) 46 63 64 ●トゥルスノフ(ロシア)/ガブリロワ(豪州)
〇穂積絵莉/Raja(IND) 57 64 62 ●ゴンサレス(MEX)/パラサントンハ(ESP)
混合ダブルスドロー

ウィンブルドン ダブルス賞金
優勝賞金400,000ポンド(6000千万円)
準優勝:200,000ポンド(3000千万円)
4強:100,000ポンド(1500万円)
8強:50,000ポンド(750万円)
3回戦:26,500ポンド(400万円)
2回戦:16,500ポンド(250万円)
1回戦:10,750ポンド(160万円)
混合ダブルス賞金
優勝賞金100,000ポンド(1500万円)
準優勝:50,000ポンド(750万円)
4強:25,000ポンド(370万円)
8強:12,000ポンド(180万円)
3回戦:6,000ポンド(90万円)
2回戦:3,000ポンド(45万円)
1回戦:1,500ポンド(22万円)
賞金総額31,600,000ポンド(約45億円)内訳PDF
ウィンブルドン・ドロー
ライブスコア
ロンドン現地時刻(時差-8時間)

ウィンブルドン8強入りをしたボラコバ/二宮真琴組  後ろにはコーチ綿貫の姿も

(記事塚越亘/kyoko 協力/内田暁 写真/佐藤ひろし/TennisJapan)