7月12日 ウィンブルドン DAY 09

女子ダブルスで二宮真琴(橋本総業)/ボラコバ(チェコ)組が、クズネツォワ(ロシア)、ムラデノビッチ(フランス)組を6-4,6-4のストレートで破り、日本女子ダブルスとしては、2013年青山修子組以来の4強入りとなった。

連日の快挙に「誕生日の時より多い、77件もお祝いメールが来た。
ベスト4は驚いている。でも、ここまで来たら優勝を狙いたい。」と二宮真琴。

決勝進出をかけて第9シードのチャン・ハオチン(台湾)/M・ニクルスク(ルーマニア)組と現地7月14日(金)に対戦する。

ウィンブルドントレーニングルームでクールダウン中の二人

「やっと、並べたかなという感じです」
試合後の二宮真琴は、そう言い今大会一番とも言える笑顔を見せた。

「並べたかな」と彼女が言う対象は、同じ94年生まれの穂積絵莉と加藤未唯。
その二人が今年1月の全豪オープンで、ベスト4に勝ち残っていたことを指しての言葉だった。

同期に追いつき追い越すことを目指す二宮の、準々決勝のプレーは冷静にして大胆だ。

対戦相手のムラデノビッチ/クズネツォワ組は、ペアを組んで日が浅いためノーシードではあるものの、個々はとてつもない実力者。
シングルスランキングで見ればクズネツォワは8位で、ムラデノビッチは14位。
ダブルスでもクズネツォワは2005、2012年の全豪オープン優勝者。
ムラデノビィックは2016年の全仏オープンのダブルスに優勝し、昨年末にはダブルス・ランキングで2位に達した名手である。

その二人を相手に、二宮は一歩も引かないどころか、むしろ相手を飲んでいた。

そのことを顕著に示したのが、第1セットの第7ゲーム。
二宮のボレーでブレークポイントを奪うと、最後は二宮が後衛から、狙いすましたロブでウイナーを奪う。

「(相手後衛の)クズネツォワが、フォアで回り込もうとしてサイドに寄っていたので、ストレートが空いているのが見えた。自分も良いポジションに居たので、ここは行けると思った」。
このブレークで主導権を掴んだ二宮/ボラコバ組が、第1セットを奪い去った。

第2セットに入っても、二宮たちは試合の手綱を握り続ける。
第9ゲームでは二宮のリターンウイナー、さらにはポーチでブレークポイントを手にすると、最後はクズネツォワがダブルフォルト。
続くゲームでは30-0のリードから追いつかれるが、ここで二宮が奮起する。
相手のクロスへのリターンを読み切り、158センチの身体を目一杯伸ばしてボールに飛びつき叩き込んだボレー。

「パートナーの緊張が伝わってきたので、思い切ってポーチした。今日一番、勝負したところでした」。
この二宮の「勝負」の一撃が、勝利を大きく手繰り寄せる。

最後は相手の力ないリターンを、二宮が慎重にボレーする。
相手コートに柔らかく落ちたボールが、2013年の青山修子以来となる、日本人選手のウィンブルドンベスト4入りを決めた。

ベスト4入りの成果を「同期に並べた」と表現した二宮だが、大会前の目標は「2つ勝つこと」だっただけに、この結果は「驚き」だと本音も漏らす。
しかしだからと言って、満足した訳ではない。

「ここまで来たら、優勝目指して頑張ります」。
その夢は、手を伸ばせば届く場所に既にある。

(テニスライター/内田暁)

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女子ダブルス

<<女子ダブルス準決勝>>
二宮真琴/ボラコバ(CZE) vs 9]ハオチン(台湾)/ニクルスク(ルーマニア)

<<女子ダブルス準々決勝>>
〇二宮真琴/ボラコバ(CZE) 64 64 ●クズネツォワ(RUS)/ムラデノビッチ(FRA)

<<女子ダブルス3回戦>>
〇二宮真琴/ボラコバ(CZE) 64 64 ●5]ハラデツカ/シニアコバ(CZE)

<<女子ダブルス2回戦>>
〇二宮真琴/ボラコバ(CZE) 64 76(4) ●ロブソン/Rae(GBR)
〇ゲルゲス(GER)/ストリコバ(CZE) 64 62 ●青山修子/YANG(CHN)
〇バーティ/デラクア(豪州) 36 63 10-8 ●土居美咲/荘佳容(TPE)

<<女子ダブルス1回戦>>
〇二宮真琴/ボラコバ(CZE) 61 62 ●BOSERUP/MCHALE(USA)
〇青山修子/YANG(CHN) 63 67(5) 62 ●RODINA/VIKHLYANTSEVA(RUS)
〇土居美咲/荘佳容(TPE) 64 61 ●KALASHNIKOVA(GEO)/SCHIAVONE(ITA)
〇13]FLIPKENS(BEL)/MIRZA(IND) 64 63 ●大坂なおみ/張帥(CHN)
〇Q)ADAMCZAK/SANDERS(AUS) 61 62 ●16]穂積絵莉/加藤未唯
〇LUCIC-BARONI(CRO)/PETKOVIC(GER) 62 36 63 ●日比野菜緒/ロソルスカ(POL)
〇Bellis(USA)/Vondrousova(CZE) 62 60 ●大前綾希子/ムーア(豪州)
女子ダブルスドロー

ダブルス4強 賞金1500万

ウィンブルドン ダブルス賞金
優勝賞金400,000ポンド(6000千万円)
準優勝:200,000ポンド(3000千万円)
4強:100,000ポンド(1500万円)
8強:50,000ポンド(750万円)
3回戦:26,500ポンド(400万円)
2回戦:16,500ポンド(250万円)
1回戦:10,750ポンド(160万円)賞金総額31,600,000ポンド(約45億円)内訳PDF
ウィンブルドン・ドロー
ライブスコア
ロンドン現地時刻(時差-8時間)

混合ダブルスドロー

(記事塚越亘/kyoko 協力/内田暁 写真/佐藤ひろし/TennisJapan)

ウィンブルドン4強を決めた!綿貫裕介、ボラコバ、二宮真琴、ボラコバコーチ