4月20日、モナコで行われているロレックス・モンテカルロ・マスターズ(ATP1000)。

準々決勝が行われ、錦織圭(日清食品)は世界3位、第2シードのM・チリッチ(クロアチア)を6-4、6-7(1)、6-3、3時間の激戦の末破り4強になった。
ATPマスターズ1000の大会で錦織が4強に勝ち進んだのは、2016年7月のトロント(カナダオープン)以来、約2年ぶり、正確には1年9ヵ月ぶりのマスターズ1000ベスト4進出だ。

試合は壮絶だった。錦織は第2セット、5-4、40-15のマッチポイントを逃すと、タイブレークは1ポイント取っただけで、セカンド・セットを落とす。

チリッチには対戦成績は7-6と勝ち越しているが、最近三連敗。
ファイナル・セットはどちらに転んでもおかしくない混戦に。
痛めていた手首の状態も気にしながら2時間55分の死闘に勝利した。
「長い試合で集中するのが大変だったけど、最後まで、良い集中ができた。」
精神力で立派に戦い切った勝負師、錦織圭だった。

準決勝はA・ヅベレフ(ドイツ)と対戦する。
「(右手首の状態は)良くはないが、プレーできる。(一晩で)体調を戻したい」と、準決勝は現地15時半以降。日本時間では21日(土)22時半以降だ。

錦織圭vsチリッチ 3時間の死闘詳細

<<第1セット>>

チリッチとは14度目の対戦で、錦織の7勝6敗。
2014年USオープン決勝ではストレートで敗れてしまった相手だ。
今年のチリッチは全豪オープンで四大大会3度目の決勝進出、R・フェデラー(スイス)に敗れたが準優勝、自己最高のATPランキング3位を更新している。

好調のチリッチはラブでキープする。
対する錦織はデュース2回でやっとキープ。

苦戦している錦織だが、2-2、3度目のブレーク・チャンス、
甘いチリッチのスマッシュを、ここぞと合わせパスを決め3-2とブレーク。

3回目のデュースの末にキープ、4-2。
ラブでキープ、5-3。

5-4、サービング・フォ・ザ・セット
ひつこくフォアで攻めるなど、40-15とセットポイント、
深いボールをチリッチはミス、第1セットを6-4で取る。

ブランクを感じさせない錦織の素晴らしいテニス。良い集中もしている。

<<第2セット>>

凄い集中力の錦織。

第4ゲーム、30-40と初めてチリッチがブレーク・ポイントを握る。
3度目のブレーク・ポイント、錦織はフォアのダウン・ザ・ラインをワイド、錦織、1-3とピンチ。

3-1チリッチのリードの時、最初のポイント、フォアのワイドを拾う時に膝を痛めたのか、膝に激痛を感じたようで、トレーナーを呼ぶ。
そんなことがあり、チリッチはサーブを落とす。錦織は2-3とブレーク・バックに成功。

これで錦織か?と思いみていたが、チリッチは頑張る。さすがプロフェッショナル!

錦織は3-4でブレーク・ポイントを二つ握られるが、3回のデュースの末に4-4とキープ。

第9ゲーム、錦織はバックのダウン・ザ・ラインを決め、ブレーク・チャンス。
なんとチリッチはダブルフォルト!
錦織5-4とブレークした。

5-4、錦織のサービング・フォ・ザ・マッチはサービス・エースで40-15とマッチポイント。
しかし錦織、ダブルフォルトそしてリターンをたたかれ、デュースに。

ナイス・サーブで3回目のマッチポイント、Tへサービス・エースを狙うがフォルト。
結局チリッチは3回のマッチポイントをセーブし5-5とブレーク。

続くゲームで、錦織は30-40とブレーク・チャンスを掴むが、ここでチリッチはサービス・エースで逃れる。

6-6のタイブレークになるが、錦織は1ポイント取れただけで、落とした。

3回あったマッチポイントを逃した心理的な影響もあったのだろう。

<<ファイナル・セット>>

1-1、チリッチのスマッシュをよく取返し、0-30から挽回、2-1とキープ。大事なキープかも?

ひざを痛めているのに戦うチリッチ、手首を気にしだした錦織。
お互いに凄い執念、凄いラリー戦だ。

錦織がキープ、4-3とする。

第8ゲーム、錦織はランニングパスを決めるなど、15-40とブレーク・チャンス。
2回目のブレーク・チャンス、チリッチは返ってきたボールをネットした。5-3と錦織が土壇場でブレークに成功。

5-3、錦織のサービング・フォ・ザ・マッチは30-0。
チリッチもしぶとくプレー、30-30。

チリッチのフォアのリターンがネット、40-30と4度目のマッチポイントだ。
錦織はセンターへサービス・エースを決めた。
「カモン!」と叫ぶ錦織。
2時間55分34秒、ベスト4進出だ!

ロレックス・モンテカルロ・マスターズ

<<準決勝>>
1]R.NADAL vs 4]G.DIMITROV
錦織圭 vs 3]A.ZVEREV

<<準々決勝>>
1]R.NADAL 60 62 5]D.THIEM
4]G.DIMITROV 64 76(5) 4]D.GOFFIN
3]A.ZVEREV 46 62 75 R.GASQUET
錦織圭 64 76(1) 63 2]M.CILIC
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素晴らしい精神力を発揮し4強になった錦織圭

記事:塚越亘/塚越景子 写真:H.Sato/TennisJapan