kunieda_kamiji_moroishi_201.jpg12月5日、千葉県柏市の吉田記念テニス研修センター(TTC)で、第20回NEC全日本選抜車いすテニス選手権大会のシングルス決勝が行われ、男子シングルスでは、世界ランク1位の国枝慎吾(26歳)が2年振り5度目の優勝を、女子シングルスでは、世界ランク20位で16歳の高校生、上地結衣(16歳)が3年連続3度目の優勝を、クァード(重度障がい者)クラスは第2シードの諸石光照(43歳)が初優勝を飾った。


男子シングルスは国枝が、昨年の優勝者で本大会11度の優勝を誇る世界ランク8位の齋田悟司(38歳)と対戦、第1セットの第2ゲームで齋田のサービスをブレークに成功すると、強打で一気に5-0と引き離し、齋田は第6ゲームでサービスをキープするのが精一杯、6-1で国枝が先制した。
第2セットに入っても国枝の強打が影を潜めることはなく、立ち上がりから4ゲームを連取すると、そのまま6-2で試合を決めた。レシーブ有利な車いすテニスにおいて、国枝は攻撃的なサービスで一度も齋田にブレークを許すことなく勝ちきった。国枝は強力なサーブとストローク、隙があれば果敢にネットをとり、上半身と腕をしならせながらのショットは圧巻だった。
国枝は11月の世界マスターズでシングルスの連勝記録を108でストップさせたが、2012年ロンドン開催のパラリンピックを目標に更に進化を続けていきそうな試合内容だった。一方敗れはしたが、齋田も身近にいる国枝と切磋琢磨しロンドンを目指す。
女子では3連覇を狙う上地が、世界ランク15位の堂森佳南子(35歳)と3年連続で決勝戦での対戦となったが、6-0 6-2と堂森を寄せ付けずに圧勝した。堂森は、悲願の初優勝をまたも若手の上地に阻まれた。上地は16歳、今後の世界レベルでの活躍が大いに期待される。
クァードクラスでは、第2シードの諸石光照(43歳)が、1回戦で昨年大会優勝の第1シード川野将太(25歳)を下した木村禎宏(50歳)を、6-1 7-6(2)のストレートで下し嬉しい大会初優勝を飾った。
この後、12月12日からは、広州でアジアパラリンピック競技大会が始まる。日本選手の活躍に期待と注目が集まる。
アジアパラリンピック日本代表選手
男子:国枝慎吾、齋田悟司、藤本佳伸
女子:堂森佳南子、岡部裕子、上地結衣
なお、本日インターネットでライブ配信された男子シングルス決勝の模様は、6日月曜日から録画映像が配信される。
インターネット配信⇒モバチュウ(視聴者プレゼントも有)
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左から、国枝慎吾、上地結衣、諸石光照
解説:車いすテニスと一般テニスとのルール上の違いは、2バウンドまで許される点のみ。2バウンド目はコートの外でも構わない。レベルが上がるほど、1バウント、ノーバウンドのラリーが多くなる。テニスのラリーに加え、「チェアーワーク」と呼ばれる車いすの操作も勝負を分ける重要な要素となる。
取材協力:TTC 写真提供:横山芳治

2010 NEC JWTA MASTERS

男子シングルス 決勝トーナメント
決勝

○国枝慎吾 6-1 6-2 ●斎田悟司

準決勝

○斎田悟司 6-1 6-0 ●藤本佳伸
○国枝慎吾 6-0 6-1 ●眞田卓

男子シングルス 予選ラウンドロビンA
選手 斎田 眞田 岩田 勝敗 得失セット 順位
斎田悟司 - 2-0 2-0 2-0 3-0 6-0 1
眞田卓 0-2 - 2-1 2-0 2-1 4-3 2
岩田守 0-2 1-2 - 2-0 1-2 3-4 3
藤良一 0-2 0-2 0-2 - 0-3 0-6 4
男子シングルス 予選ラウンドロビンB
選手 藤本 国枝 平手 中野 勝敗 得失セット 順位
藤本佳伸 - 0-2 2-0 2-0 2-1 4-2 2
国枝慎吾 2-0 - 2-0 2-0 3-0 6-0 1
平手貴博 0-2 0-2 - 1-2 0-3 1-6 4
中野秀和 0-2 0-2 2-1 - 1-2 2-5 3
女子シングルス 決勝トーナメント
決勝

○上地結衣 6-0 6-2 ●堂森佳南子

準決勝

○上地結衣 6-2 6-1 ●福田恵
○堂森佳南子 6-0 6-2 ●岡部裕子

女子シングルス 予選ラウンドロビンA
選手 上地 岡部 大前 深山 勝敗 得失セット 順位
上地結衣 - 2-0 2-0 2-0 3-0 6-0 1
岡部裕子 0-2 - 2-0 2-0 2-1 4-2 2
大前千代子 0-2 0-2 - 2-1 1-2 2-5 3
深山知美 0-2 0-2 1-2 - 0-3 1-6 4
女子シングルス 予選ラウンドロビンB
選手 堂森 福田 上野 古玉 勝敗 得失セット 順位
堂森佳南子 - 2-0 2-0 2-0 3-0 6-0 1
福田恵 0-2 - 2-0 2-1 2-1 4-3 2
上野実穂 0-2 0-2 - 2-0 1-2 2-4 3
古玉佳苗 0-2 1-2 0-2 - 0-3 1-6 4
クァードシングルス
決勝

○諸石光照[2] 6-1 7-6(2) ●木村禎宏

3位決定戦

○川野将太[1] 6-4 4-6 7-5 ●古賀貴裕

1回戦

○木村禎宏 3-6 6-3 6-3 ●川野将太[1]
○諸石光照[2] 6-0 6-0 ●古賀貴裕
※[]内数字はシード順位