andy_roddick.jpg今年のプロテニスツアーが終わり、セルビアの初優勝で盛り上がったデビスカップも終わり、世界のテニスツアーを統括するATP(Association of tennis profssionals)が、今年のサービスゲームに関するデータを発表した。このデータは、チャレンジャー大会など下部大会での記録は含まず、ツアー公式戦の本戦での記録を元に集計されている。


まず、サービスエースランキング。豪快なサービスでエースを量産したのは・・・
1位・・・ジョン・イスナー(25歳、米国)【1,048本、60試合】
2位・・・アンディ・ロディック(28歳、米国)【815本、66試合】
3位・・・ロビン・セーデリング(26歳、スウェーデン)【739本、75試合】
4位・・・サム・クエリー(23歳、米国)【709本、60試合】
5位・・・ロジャー・フェデラー(29歳、スイス)【658本、78試合】
上位を占めたのは米国勢、やはり大型選手が名を連ねた。そして1位は記憶に新しい、今年6月のウィンブルドン選手権1回戦で3日間に渡り11時間5分の至上最長記録の試合を演じたイスナー。その試合だけでも113本のエースを奪った。その時の対戦相手、ニコラ・マウー(28歳、フランス)は【178本、10試合】で69位であった。身長2m6cmの大型選手、イスナーの今年のエースの数は、2位のロディックより200本以上上回る1,048本。唯一、次元の違う4桁台を叩き出した。
※過去の最高成績は、1996年に「サンダーサーブ」の異名をもったゴラン・イワニセビッチ(クロアチア)が記録した1477本。
次は、サービスキープランキング。サービスキープ確率のランキング、より高いキープ率を誇るのは・・・
1位・・・アンディ・ロディック(28歳、米国)【91%、66試合】
2位・・・ラファエル・ナダル(24歳、スペイン)【90%、81試合】
3位・・・ジョン・イスナー(25歳、米国)【90%、60試合】
4位・・・ロジャー・フェデラー(29歳、スイス)【89%、78試合】
5位・・・トマーシュ・ベルディハ(25歳、チェコ共和国)【87%、68試合】
1位は流石のロディック。今年の試合、91%の確率でサービスゲームをキープした。そして、2位にランクインしたのは今年のNo.1プレーヤー、ナダル。今年、全米オープンで優勝し、オープン化以降では最年少で生涯グランドスラム(4大大会全制覇)を達成したナダル。このサービスキープ率が好調の要因の一つであったに違いない。
そして、ブレークポイント阻止率ランキング。相手にブレークポイントを握られた時、簡単にブレークを許さないのは・・・
1位・・・ラファエル・ナダル(24歳、スペイン)【69%、81試合】
2位・・・アンディ・ロディック(28歳、米国)【69%、66試合】
3位・・・ジョン・イスナー(25歳、米国)【69%、60試合】
4位・・・マリン・チリッチ(22歳、クロアチア)【69%、59試合】
5位・・・ロジャー・フェデラー(29歳、スイス)【68%、78試合】
名立たるビックサーバーを抑えて、1位を獲得したのはナダル。ナダルからブレークを奪うのは容易ではないことを証明している。また、チリッチも4位にランクイン。ここ一番で、相手に簡単にブレークを許さないのはトップ選手の条件のようだ。
このようにサービスゲームに関するデータを見てみると、サービスに定評のあるロディックやイスナーはもちろん、ナダルのサービスが如何に好調であったかがわかる。しかし、興味深いデータとしては、ナダルのサービスエースの数が310本で33位という点。ナダルの特徴としては、エースを奪える程のサービスでないにしてもサービスで相手を崩し、その後のストローク戦で有利に試合運びをしているということがわかる。
一方、今年世界ランク1位の座から陥落したフェデラーは、最終戦のツアー・ファイナル大会優勝で一矢を報いたが、全盛期に比べサービスの輝きを失っている。それでもランキング上位に来ているところは流石。来年の世界ランク1位奪回の鍵は、サービスなのかもしれない。
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※写真は、楽天ジャパンオープンでのアンディ・ロディック、クリックで拡大