24日、フランスのパリで開催されている4大大会、全仏オープン(クレーコート)の女子シングルス1回戦が行われ、森田あゆみ(21歳)が、クリスティナ・マダナビッチ(18歳、フランス)を、2-6、6-4、7-5で下し2回戦進出を決めた。


大会3日目の7番コートに登場した森田あゆみ(21歳)は、前週のドイツ/ブリュッセルでベスト8の成績を引っさげての全仏入り。これまでの全仏では未勝利だったが、上り調子といって良かった。
対するクリスティナ・マダナビッチ(フランス)は、2009年にはジュニアの世界ナンバー1だった実績を持つフランス期待の18歳で、現在のランキングは268位。全仏は3度目の出場だが、今回もワイルドカード(主催者推薦)での出場。プロの実績で言えば、森田の方が大きく上だ。しかし、森田は「相手がワイルドカードの選手だから楽なドローだったとは思わなかった。ショットの爆発力はある選手だし、自分がしっかりといい状態に持っていかなければいけない相手」と気を引き締めてコートに立ったのだという。
最初は相手の様子を見ながら、自分の調子を上げるつもりだったという森田は、ややゆっくりとしたスタートを切ったのだが、相手のマダナビッチは序盤からトップギア。これが第1セットで流れを相手に渡してしまった理由だった。森田は2-6で第1セットを落とし、試合は追いかける展開となった。「この1年で色々な経験を積んで、いろんな状況にも対応できるようになって
きた」と森田は言う。以前なら、崩れかねなかった場面でも、きっちりと粘りを発揮できたのは、そういった精神面での成長だと試合後に振り返った森田は、第2セットに入ってややペースを落としたマダナビッチを捕らえ、先にブレークして流れを自らたぐり寄せた。
練習コートのスケジューリングの関係で、試合前に食事をする時間が十分に取れず、試合中に「食切れ」の症状が出てしまい、足も動かず、集中力も持続しにくくなった時間帯があったというのだが、森田は最後まで粘って試合をものにした。「相手が焦っているのも感じた」と相手を見る余裕があった。終わってみれば2-6、6-4、7-5でのフルセット勝ち。全仏4度目の挑戦での初勝利だった。「まずは目の前のポイントにしっかりと集中すること」。そう話す森田の2回戦の相手は、第21シードでベルギーの次代を担う強打者ヤニナ・ウィックマイヤー(21歳)。豪快な打ち合いが期待できるカードだけに、注目しておきたい。
現地レポート:浅岡隆太