23日、4回戦の後半が行なわれた大会8日目は、何と言っても錦織圭(22歳)の勝利で記憶される日となった。第6シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(26歳、フランス)を2-6 6-2 6-1 3-6 6-3のフルセットで破り、自身初のグランドスラム8強を勝ちとり、日本男子としては1995年ウィンブルドンの松岡修造以来の快挙を成し遂げた。


「彼のプレーを見ていて、フォアからは凄いボールを打ってくるのはわかっていたので、バックハンドを攻めた。最初からそこは気をつけていた」と錦織は試合後に明かす。序盤はやや硬さの見られた理由は恐らく、自分の方針の正しさを確認できるまで生まれたものだろう。
ツォンガは両サイドから強力なボールを打てる選手だが、ここ最近はバックからはスライスを多用し、直接攻撃に転じることは少ない。また、錦織のボールが深く入ってさえいれば、ミスも出ていた。第2セット以降の錦織の攻撃には迷いが消えていた。第1セットは8つあったアンフォーストエラーが、第3セットでは3つに減ったのも、錦織の集中力が増していた証拠だろう。逆にツォンガは5セットでなんと70本ものミスを犯している。しかも、そのほとんどは錦織に強いられたものと見てもいい。
「とにかく走りまくって、何でも返してくるような相手との対戦ではプレッシャーもかかる。こっちが215キロのサービスを打とうがお構いなしで何でも返されるんだ。簡単じゃなかったよ」とツォンガは言う。さらに、アンディ・マリー(24歳、英国)と錦織の準々決勝の展望について聞かれると「そうだね。もちろん錦織にもチャンスはあるだろう。まずはきっちりと体力を回復することが必要だろうと思うけど、その上で、マリーとの試合がもし、今日みたいな暑い太陽の下での試合になったら、もしかすると何か起こしてくれるかもしれないね」と話した。
錦織の強さについて、今やツォンガが最も身体で感じているトップ選手。今大会の結果が決してフロックではないひとつの証明と言ってもいい。次のマリーとの準々決勝も期待したい。
もうひとつの注目カードは、ノバク・ジョコビッチ(24歳、セルビア)レイトン・ヒューイット(30歳、オーストラリア)。ほぼ全員がヒューイットの声援に回ったロッド・レーバーアリーナはまるでデビスカップ(国別対抗戦)のような熱気に包まれ、その雰囲気の中でヒューイットは躍動したものの、最後はバックハンドの攻撃力の差を見せつけられる形となり、6-1 6-3 4-6 6-3のスコアでヒューイットは全豪を終えた。
リシャール・ガスケ(25歳、フランス)との対戦となったダビド・フェレール(29歳、スペイン)は、終始安定したプレーぶりでガスケを封じ込んで6-4 6-4 6-1のストレートで快勝。また、今大会のラッキーボーイだ
ったミハイル・ククシキン(24歳、カザフスタン)は、マリーとの対戦。しかし、ククシュキンはマリーに序盤からいいように振り回され、第2セットではついに足に異常を起こしてしまう。6-1 6-1 1-0 Retの途中棄権でマリーがベスト8へとコマを進めた。
錦織との対戦に向けてのマリーは「彼がいいプレーヤーなのは良くわかってる。背は大きくないのに、コートの後ろからでもすごいボールを打ってくる」と警戒心を露にしていた。
大会も大詰めを迎えつつある。2週目からはまた別の大会が始まるとも言うが、今週もまた激戦が期待できるだろう。
※写真提供:テニスジャパン、錦織圭、クリックで拡大