go_soeda120530_01.jpgパリ、ローランギャロスで開催中の全仏オープン4日目。台湾の盧彦勳(ルー・エンスン)とダブルスを組んだ添田豪は、ジェイミー・マリー/カーステン・ボール組と対戦。7-6、4-6、6-3で勝利し、シングルスも含め自身初のグランドスラム白星を手にした。


go_soeda120530_02.jpg添田組と対戦したジェイミー・マリーは、シングルス世界4位のアンディ・マリーの兄。ダブルスのスペシャリストであり、昨年の楽天ジャパンオープンでは弟とのペアで優勝している。さらには、長身から打ちおろすサーブを武器とするダブルス巧者。両者ともに左利きで、ネットプレーを得意とする。
その長身ペアに対し、添田と盧は得意のストロークで相手を崩す作戦で挑む。「相手がネットに出てくるのは分かっていたが、それほどプレッシャーは感じなかった。粘り強く打っていけばミスをするし、勝てるチャンスもあると思った」という読み通り、第1セットのタイブレーク、そして第3セット終盤でも、ストロークを軸にポイントを重ねることに成功。さらに添田は試合終盤、ネット際でのボレー合戦で打ち勝つ勝負強さも発揮した。
この1勝は添田にとり記念すべき勝利となったが、それは相棒の盧にしても一緒。盧にとってこの勝利は、シングルスも含めた全仏の初白星だったのだ。
ふたりがダブルスを組むのは今回が初めてだが、かつて日本リーグでプレーしていた盧と添田は、互いを良く知る旧知の仲。今回、自分から添田にオファーを出した盧は、「僕たちは何度も試合をしているし、互いを良く知っている。コートの外でも良い友人なので、『どうしていつも対戦ばかりする必要があるんだ。そろそろ一緒にプレーしようよ』と豪にお願いしたんだ」と、日台ペア誕生の経緯を明かした。
グランドスラム初勝利が全仏だったことにつき、添田は「ジュニア時代に唯一勝ったグランドスラムも全仏だった。運命を感じる」と、不思議な巡り合わせに思いを馳せる。多くの日本人がクレーに苦手意識を抱く中、「クレーは嫌いではない。苦手意識を持たなければ、クレーでも自分のプレーが通用する」といい切る強気の姿勢で、日本三銃士の最年長者は、赤土にさらなる足跡を刻む。
※写真は、上段:添田豪と盧彦勳、下段:添田豪、クリックで拡大