パリのローランギャロスで開催中の全仏オープンは、現地時間6日に女子準々決勝2試合を行ない、第2シードのマリア・シャラポワカイア・カネピを、6-2、6-3で破って、2年連続の準決勝進出。第4シードのペトラ・クビトバは、予選上がりのヤロスラワ・シュウェドワに第1セットを奪われるも、2セット連取で、3-6、6-2、6-4の逆転勝ちを収めた。


2日前の4回戦でフルセットの苦戦を切り抜けたシャラポワが、この日は、盤石の強さと貫禄を見せつけた。早いタイミングで強打を左右に打ち分け、浮いた相手のボールをスイングボレーで叩きこむ得意の形でウィナーを量産。「前の試合の私は、守備的すぎた。その部分を修正し、攻撃的な姿勢を貫いて、前に踏み出すようにしようと思っていた」という戦前のプランを遂行しての、試合時間1時間14分の完勝だった。
シャラポワにとってスイングボレーは、好調のバロメータの一つだ。調子が良いときは、このショットの数が多い。「前に出ていく動きに自信があるから、打てる」と言うように、クレーでも大きく向上したフットワークが、伸びやかなプレーの大きな要因だ。シャラポワにとって、この大会は彼女のキャリアで唯一優勝のないグランドスラム。そしてもし決勝に進出すれば、約4年ぶりに1位の座を奪い返すことにもなる。今のところ、モチベーションの高さが好プレーに直結している。
4回戦で、前年優勝者の李娜(リー・ナ)を破った、予選上がりのシュベドワ。彼女の2つ目の大金星は、もう一息のところで、手からすり抜けた。シュベドワは「試合の最初はナーバスだった」と認めるほどに硬さの見られたクビトバから、第1セットで2度のブレークを奪いセットを先取。全仏史上初の“予選から準決勝進出”を成し遂げるまで、あと1セットと迫った。
だが第2セットに入ると、ツアー屈指の攻撃力を誇る昨年のウィンブルドン女王が、本領を発揮しだす。リターンからプレッシャーを掛け、ネットにも積極的に出る攻めの姿勢でセットを奪い返した。
運命の第3セット。先にブレークしたのはクビトバだが、シュベドワがすかさずブレークバックに成功する。さらに、突如として降りだした雨の中、シュベドワは再びブレークに成功。4ゲームを連取し、勝利まで2ゲームに迫った。
だがここで、シュベドワの動きが急激に落ちる。予選から含めて、今大会既にシングルス7試合、ダブルスでも3試合戦ってきたシュベドワは「タンクに残っていた燃料は、ゼロだった」と苦笑する。「このまま降り続き、中断になってくれないか」と期待した恵みの雨も止んでしまうと、精根尽き果てたかように、クビトバの逆襲を許してしまった。
これで今大会の女子準決勝は、先の全豪オープンに続き、シャラポワ対クビトバの顔合わせが決定。そのときの対戦では、シャラポワがフルセットの末に勝利している。
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