nishikori_kei120620_w800.jpgロンドンのフルハムで19日に行われたエキシビション大会“BNPパリバテニスクラシック”で、腹筋の肉離れで戦線離脱していた錦織圭が、約2ヶ月ぶりに実戦を行った。ウィンブルドンの前哨戦を兼ねたこの大会には、全仏優勝者のマリア・シャラポワや、世界12位のマーディ・フィッシュらも参戦している。過去の名選手たちも集う豪華なテニスイベントのオープニング・マッチで、錦織は2002年ウィンブルドン優勝者のレイトン・ヒューイットと対戦した。


※写真は約2ヶ月ぶりの実戦を行った錦織圭、クリックで拡大
4月末のバルセロナ大会で腹筋を痛めて以来、エキシビションとはいえ実戦のコートに立つのは約2ヶ月ぶり。しかも芝は、去年のウィンブルドン以来1年ぶりである。この試合に錦織が求めたものが、勝敗以外にあることは明らかだった。本人も「まだ100%ではない」と認める中でのプレーは、ケガの状態を確認しつつ、芝への適応を高め試合勘を取り戻すためのものである。
そのような状況を考えたとき、錦織のプレーは本人にとっても、十分に及第点を与えられるものだったろう。最大の懸案事項だったサーブは安定し、ストロークも100%ではないだろうが、フォアとバック共に鋭く振り抜けていた。特にバックからは、何度もダウンザラインに切り返す鋭いショットを放ち、ヒューイットが一歩も動けず見送るウィナーを奪っていった。
試合そのものは、6-7、3-6で敗れたが、ラインパーソンが「フォルト」とコールした相手のサーブを、錦織が「入っていた」と認める場面が何度もあるなど、勝敗は両者とも度外視に近い対戦である。それよりも錦織にとっては、1時間以上走って打ってフルに動けたこと、そしてエースを奪う程にサーブを強く打てたことの方がよほど大きな収穫だろう。
錦織は明日も、同大会でフィッシュと対戦。その後最終調整を行い、ウィンブルドン本戦に望むことになる。