yuichi_sugita120621_01.jpgロンドンのローハンプトンで開催中のウィンブルドン予選は、20日に男子決勝戦と女子2回戦が行われ、日本勢は杉田祐一マイケル・ラッセルとフルセットの熱戦を演じるも、3-6、6-4、3-6、6-4、2-6で惜敗。悲願のウィンブルドン本戦出場に僅かに届かなかった。


女子は、土居美咲瀬間友里加がそれぞれ勝利し予選決勝戦に進出。瀬間詠里花は0-6、4-6で敗れた。
yuichi_sugita120621_02.jpg【執念見せるも、熱戦の末に力尽きた杉田】
午後3時半頃に始まった試合が終わったとき、日の長いロンドンの太陽も大きく西に傾き、選手たちの長い影をコートに落としていた。試合時間は、3時間46分。常に相手にセット先行されながらも、追いすがり続けた杉田もついに、力尽きた。
ラッセルは34歳のベテランだが、4年前にランキング300位代にまで落ちながらも、再びツアーレベルにまで戻ってきた苦労人だ。昨年のウィンブルドン開幕戦でナダルと戦い、敗れたもののエネルギッシュなプレーで観客を沸かせた姿を、覚えている人も多いだろう。この日も、ノースリーブから突き出た太い腕でボールを潰し、コートを縦横に走り回った。
そのような相手と戦った杉田は、第1セットで左足太腿を痛めながらも、懸命に走ってはドロップショットを拾い、頭上を抜こうとするロブに飛びつきジャンピングスマッシュを叩きつけた。常に相手にセット先行される苦しい展開にも関わらず、そのたびに相手のお株を奪う脚力と、コートカバーで食らいついた。是が非でも本戦に出たいという気迫を全身から発しながら、ボールを負い鋭いバックのショットでウィナーも奪っていった。しかし最終セットでは、身体がついていかなかった。第1ゲームで、4つのブレークポイントを握るもこれを逃すと、以降は相手のペースになる。最後はショットが長くなり、力なく肩を落とした。
【土居、瀬間ともに、明日ウィンブルドン本戦をかけ、元ジュニアチャンピオンと対戦】
予選2回戦で当たるには、土居にしてみれば実に難しい相手だった。対戦相手のマディソン・キーズは、今年17歳になったばかりのアメリカの新鋭。3月のマイアミ大会では、予選を勝ち上がり本戦でも1勝を上げるなど、210位というランキング以上の実力があることは間違いない選手だ。
土居は初対戦の戸惑いもあったか、身長で自身を20cm上回る相手の強打に「ボールは重いし、サーブがかなり速かった」と戸惑い、第1セットを奪われてしまった。
第2セットもゲームカウント、5-5の局面で、土居は相手に2度のブレークポイントを握られるピンチに陥る。だがここを粘って凌ぐと、次のゲームでは気落ちしたキーズからラブゲームでブレークに成功。大切な場面で、力が入りすぎたようにミスを重ねる相手の若さにも助けられた。
第3セットも土居が先にブレークしながら、直ぐに相手にブレークバックされる緊迫した展開となる。だがセット終盤に、相手のダブルフォルトにつけ込みブレークした土居が、最終セットも制し、5-7、7-5、6-3の逆転勝利。少ないチャンスをものにした勝負強さが、土居に勝ち星をもたらした。
瀬間友里加は、第1セットをタイブレークの末に奪うと、第2セットも終盤までもつれたが、最後に抜け出し7-6、7-5で辛勝。
本戦出場を掛けた明日の決勝で土居と対戦するのは、大阪スーパージュニアを制したこともある、クリスティーナ・ムラデノビッチ。瀬間は、2年前の全豪ジュニア優勝者のカロリナ・プリスコワと対戦する。
※写真は、上段:杉田祐一、下段:マイケル・ラッセル(左)と杉田祐一(右)、クリックで拡大