男子テニスの元世界ランク1位であるボリス・ベッカーが来シーズン、現在世界ランク2位のノバク・ジョコビッチのヘッドコーチに就任することが明らかになった。ベッカーはグランドスラムをはじめ、ジョコビッチが出場する主要な大会に帯同する予定。

来年1月13日から始まる全豪オープンに向けて、ジョコビッチはベッカーとともに準備を進めていく。ジョコビッチのチームから解任されるコーチ陣はおらず、これまでジョコビッチをサポートしていた元世界ランク46位のマリアン・バジャは引き続きコーチとして名を連ねる。

「ボリスと一緒に仕事ができるチャンスにワクワクしている。彼はテニスに対して素晴らしい知識を持った本当のレジェンド。それに、彼の経験はグランドスラムや他の大会で新しいトロフィーを手に入れる助けになるでしょう。ボリスは人間的にも素晴らしいし、彼はすぐにでも僕のチームに馴染むことを確信しいてるよ。」と、ジョコビッチは新コーチに期待を寄せている。。

「2014年のゴールは最高のテニスをして、グランドスラムとマスターズに万全の状態で臨むこと。これらの大会はテニスで最も重要な試合で、そこで自分の価値を証明したい。チームは強くなったし、最高の結果を期待している」

現在46歳のベッカーは現役時代、シングルスとダブルス併せて64勝をあげており、グランドスラムではウィンブルドンで3度、全豪オープンで2度、そして全米オープンで1度の優勝を記録している。特に1985年のウィンブルドンでは、大会史上最年少となる17歳7か月でタイトルを獲得し、世界に衝撃を与えた。さらに、1988年と1989年にはデビスカップで母国ドイツを優勝に導き、1992年のバルセロナ五輪ではミヒャエル・シュティヒとのペアでダブルス金メダルを獲得している。

「ノバクにヘッドコーチとして招かれて光栄だね」とベッカー。「目標を達成できるようベストを尽くすし、一緒に何かすごいことが出来る自信があるよ」

ジョコビッチが10代だった2006年から彼をコーチしているバジャは、ジョコビッチとともにベッカーをチームに加えることを決めたという。

「数週間で8年目のシーズンを迎える。この7年間、目標としてきたことはほとんど達成してきた。だけど、ノバクが今よりもっと上達するためには、新しいヘッドコーチが必要なことに気づいたんだ。それと同時に、僕はもっと家族との時間を持てるとね」

「ベッカーが来ることで、私のポジションに影響はない。これまで通り、ノバクのためにできることを全てしていくだけさ。ボリスをヘッドコーチにしたのは、良い解決策だよ。僕らはうまくやっていけるだろうし、ノバクは強くなり続けるだろう」

昨シーズンは年初の全豪オープンで3連覇を達成、ツアー最終戦でもタイトルを獲得したジョコビッチだったが、ラファエル・ナダルに世界ランク1位の座を明け渡していた。王座奪還のかかる2014年、前人未到の全豪オープン4連覇に向けて、ジョコビッチはこれ以上ない援軍を手に入れた。

※写真は今年のウィンブルドンでのジョコビッチ
Photo by Hiroshi sato