5月11日(日)スペイン、マドリードで開催されているMutuaマドリード・オープン。錦織圭対ナダルの決勝戦が行われた。錦織は残念ながら6-2,4-6,0-3となったところで腰から股関節の痛みを再発棄権した。
錦織は3回戦、準々決勝、準決勝、決勝と試合の途中でインジャリータイムを取り腰の治療をしながらの試合だったが、その腰がとうとう耐えきれなくなってしまった。
錦織は試合後ローマに移動、明日にはイタリアン・オープンで今年活躍中、世界20位のギルビスと対戦する。(イタリアン・オープン・ドロー)厳しいプロツアーの世界だ。(後に欠場を発表、練習拠点の米フロリダ州のIMGアカデミーに帰宅、治療とトレーニングで25日開催のフレンチ・オープンに備える。)

それにしても凄い試合だった。
3回戦で世界9位のラオニッチに勝利、準々決勝で地元スペインのロペスを破り4強、この時点でテニスを始めてからの夢の一つ、トップ10入りを決めた錦織。準決勝では世界5位のフェレールに3時間の激戦の末に競り勝つ。その勝利で世界9位入りを確定。
そして満身創痍で世界一のナダルと決勝で戦った。
厳しい連戦で果たして体がもつのか心配の錦織だったが、始まってみるとクレーの王者ナダルに対して試合を支配する。
第1セットを取り、第2セットも先にブレーク、一時は4-2までリードしていたのだが。

<圧倒していた決勝戦詳細>
●10)錦織圭 6-2 4-6 0-3ret. 〇1)R.Nadal(ESP)

ナダルのサーブで始まる。
ラブキープのナダル。

第2ゲーム、30-40と錦織はブレーク・ポイントを握られるがキープする。(1-1)

第3ゲーム、ナダルのダブルフォルトで15-30、
ナダルのフォアがアウトになり、15-40と錦織にブレーク・チャンスが。

30-40、最初はナダルのこれでもか、これでもかと言う凄い左右への攻め、
それに耐える錦織、14回目ぐらいのショット、錦織の守りのショットがフラフラとナダルのバック深くへ返球される、
そこから攻守が一転、今度は錦織が左右に攻め、
短くなって返ってきたナダルのボールを攻めネットにつき、
ハイ・バックボレーでクロスに決めた!
20数回続いた攻防を錦織が取った。(錦織2-1)

錦織15でキープ、3-1とする。

ナダルを相手にドロップ・ショットを決める。
逆を突いたショットも決めた。
ナダルが一歩も動けない。(0-30)

30-30からナダルはダブルフォルト、30-40、
ナダルのセカンド・サーブを錦織はフォアに回り込み、逆クロスにリターン・エース!
なんとまた錦織がサーブをブレーク、4-1とリード!

15でキープし、錦織5-1だ!

ナダルのフォアがロング、30-40とセットポイント!
しかしナダルが3ポイント連取、キープする。(錦織5-2)

攻める錦織、40-0とセットポイント!
40-15からTへサービス・エース!
錦織がクレーの王者ナダルからセットを奪った。

ナダル、この大会初めてセットを落とす。
錦織にとっては2008年、芝のクィーンズでの初対戦以来6年ぶりにセットを取った。
ナダルとの対戦成績は0勝6敗

第2セット

錦織がゲームを支配する。0-40とブレーク・チャンスだ
15-40からフォアの逆クロスウィナーでいきなり第2セットのオープニングゲームをブレークした。

第2ゲーム、0-40となるが、そこから5ポイント連取、しっかりとキープする。
凄い!錦織圭、2-0だ。

第4ゲーム、40-0、深いボールをナダルはミス・ショット、錦織キープ3-1と思われたが、
「アウト!」のコール、主審もチェアから降りてきて確認する。残念!40-15となる。

3度目のデュースの末にキープ、3-1だ!

ナダルを破って優勝か!!!!
凄い事が起こるのか?

第5ゲームをキープしたナダルは陣営に向ってガッツポーズをつくる。(錦織3-2)

錦織15でキープ、4-2とリードをキープ。

ナダル、ラブでキープ。(錦織4-3)

コートチェンジ
ここで錦織は腹ばいになり、コートサイドで腰の治療を始める。

凄いラリー戦が続く。
逆をつかれ15-40、錦織は足を引きずり始める。
しのいで、デュースに持ち込む錦織。

ネットに大きく跳ね錦織のボールはロングに、錦織はサーブを落とす。(4-4)

ナダルはラブでキープ、盛り上がるスペインの大観衆。

コートサイドで、メディカル・タイムアウトを取り腰の治療を始める錦織。

錦織は勝負を賭け早い段階で攻めるが形勢逆転のチャンスが訪れているナダルはますます元気になりどんな攻撃でも耐える。
ナダルがポイントを取る毎に盛り上がる地元スペインの観客。

体の痛みに耐えプレーを続ける錦織だったが、戦い切る余力はなかった。
第2セットを落とし、ファイナル0-3となったところでナダルに握手を求める。

王妃から準優勝のプレートを渡される錦織に大きな拍手が。

「ゴメンなさい、最後までプレーできず」
と錦織がスピーチを始めるとこれまでの素晴らし戦いぶりに大きな拍手が湧き起る。

「先のバルセロナ・オープンでの優勝、ここも決勝まで残れ良いプレーができた。
スペインは故郷のように思う。応援ありがとう。また来年戻ってきます。」とスピーチすると、
錦織がクレーの王者より印象的な良いプレーをしていたのを知っている観客は、
待っている、また素晴らしいプレーを見せて欲しいと暖かい拍手を最後まで送っていた。

ATPランキング(2014年5月12日付)
1)ナダル
2)ジョコビッチ
3)ヴァブリンカ
4)フェデラー
5)フェレール
6)ベルディヒ
7)デルポトロ
8)マレー
9)錦織圭
10)ラオニッチ

錦織 圭 ブログ
錦織 圭 データー 1989年12月29日生まれ 24歳

大会名:Mutua Madrid Open
ATP、WTA共催大会、男女ともにグランドスラム大会に次ぐ格の大会でトッププレイヤー達が全員参戦
ATPカテゴリー:€4,700,000 ATP Tour Masters 1000 Madrid Open
WTAカテゴリー:$4,400,000 WTA Tour Premier Madrid Open
会場:La Caja Mágica マドリード
マドリード現地時間(時差-7時間)
期間:05/04-05/11, 2014

<決勝>
1)R.Nadal(ESP) 26 64 30ret. ●10)錦織圭

<準決勝>
〇1)R.Nadal(ESP) 64 63 ●Bautista Agut(ESP)
〇10)錦織圭 76(5) 57 63 ●5)D.Ferrer(ESP)

<準々決勝>
〇1)R.Nadal(ESP) 64 62 ●6)T.Berdych(CZE)
〇Bautista Agut(ESP) 63 64 ●Q)S.Giraldo(COL)
〇10)錦織圭 64 64 ●F.Lopez(ESP)
〇5)D.Ferrer(ESP) 76(3) 63 ●E.Gulbis(LAT)

マレー敗れる!
<3回戦>

〇1)R.Nadal(ESP) 61 64 ●J.Nieminen(FIN)
〇6)T.Berdych(CZE) 36 63 62 ●12)G.Dimitrov(BUL)
〇Bautista Agut(ESP) 64 62 ●L)L.Kubot(POL)
〇Q)S.Giraldo(COL) 63 62 ●7)A.Murray(GBR)

〇10)錦織圭 76(5) 76(5) ●8)M.RAONIC(CAN)
〇F.Lopez(ESP) ret. ●Q)D.Thiem(AUT)
〇5)D.Ferrer(ESP) 64 64 ●9)J.Isner(USA)
〇E.Gulbis(LAT) 63 64 ●M.Cilic(CRO)

ヴァブリンカ敗れる
<2回戦>

〇10)錦織圭 63 61 ●Garcia-Lopez(ESP)
〇Q)D.Thiem(AUT) 16 62 64 ●3)S.Wawrinka(SUI)

<1回戦>
〇10)錦織圭 64 64 ●I.DODIG(CRO)
シングルスドロー
シングルスドローネット版

錦織圭は昨年ここで、テニスを始めてからの夢の一つ、子供の頃からのアイドルである、世界一のフェデラーに勝っている!
<2013年3回戦>
○14)錦織圭 64 16 62 ●2)R.Federer(SUI)
ビデオハイライト
2013年シングルスドロー

(記事 テニスジャパン 塚越 亘 photo/Mutua Madrid Open)