ハイブリッド・ガット　のすすめ

2010年5月28日 2010年5月28日

Tennis.jp 編集部

縦のストリングと横のストリングを同じにしなきゃいけないルールは・・・ない。
自分ならではのカスタマイズをして、最強の武器を手に入れよう。

ハイブリッド・ガットのすすめ

ハイブリッド・ガットとは

ハイブリッド・ガットとは素材や種類の異なったストリングでメイン（縦糸）とクロス（横糸）のストリングを張り上げる方法のことをいいます。ストリングはメイン（縦糸）とクロス（横糸）で役割が違います。メイン（縦糸）は耐久性やスピンのかかり具合に影響します。クロス（横糸）は打球感などのフィーリングや衝撃吸収に影響します。縦と横で違うストリングを使うことにより、両方のストリングの特性を活かしてより高いパフォーマンスを引き出すことができるのです。

張り方の種類

※メイン（縦糸）に硬いストリング
　＋クロス（横糸）に柔らかいストリング

　　縦：ポリ＋横：ナチュラルの例　⇒

※メイン（縦糸）に柔らかいストリング
　＋クロス（横糸）に硬いストリング

　　縦：ナチュラル＋横：ポリ　の例　⇒

メイン（縦糸）？クロス（横糸）？

ボールを打つ際に大きく影響するのは、メイン（縦糸）です。ガットが切れるのも、ほとんど縦糸ですね。ボールの回転量や耐久性に影響がでるので、メイン（縦糸）を選ぶ時には、ストリングの特性を理解して自分のプレースタイルに合ったストリングを選びましょう。
一方、クロス（横糸）の役割は、縦糸の補助的なものです。インパクト時の衝撃に影響したり、横糸に縦糸との摩擦が起きずらいもの（例えば滑らかなコーティングされたもの）を使用すると縦糸の消耗が減り寿命が延びます。

みんなの張り方は？

一番多い組み合わせはポリエステルガットなどの硬いストリングと、マルチフィラメントやナチュラルなどの柔らかいストリングです。ポリ愛好家や一般プレーヤーには、メイン（縦糸）に硬いポリエステル系のストリングを使用して、クロス（横糸）に柔らかいマルチフィラメントやナチュラルガットを使用するパターンが人気です。
逆のパターンとしては、あの王者ロジャー・フェデラーが縦にナチュラル、横にポリエステルを好んで張っています。

２本張り、１本張り

※１本張り
⇒メイン（縦糸）とクロス（横糸）を１本の繋がったストリングで張り上げる方法です。
※２本張り
⇒メイン（縦糸）とクロス（横糸）を切り離して２本で張る方法です。
ラケットによって張り方が異なったりしますが、多くのストリンガーがフレームの変形やガットの摩擦を考慮して２本張りを好んで選びます。

どうして縦糸と横糸のテンションが違う張り方があるの？

基本的にはフレームの変形を防ぐ為です。クロス（横糸）の方が、メイン（縦糸）より１回で引っ張る距離が短いので、縦に比べてテンション（張る力、Ｐ(ポンド)で指定）を落とすことによってフレームにかかる圧力のバランスを保ちます。
また一般的に言われるのが、クロス（横糸）のテンションを落として張ると、ボールの食いつきが良くなり、スピンがかかりやすいということです。これに関してはさまざまな意見がありますが、本当に食いつきを良くしてスピンをかけたい場合、全体的にテンションを落とすことをオススメします。

ハイブリッドの場合に縦か横の片方が切れたら、そのまま張り直していいの？

２本張りの場合、縦か横のストリングが切れてもう片方のストリングをそのまま使って張り直す人が稀にいます。しかし、残った方のストリングも摩擦や衝撃で消耗しています。残ったガットは死んでいるのです。それをもう一度使うと全体のバランスが悪くなりプレーに悪影響を及ぼします。また、片方のストリングが残った状態だとフレームにバランスの悪い圧力がかかってしまいフレームが変形してしまいます。そのようなことを考慮すると、あまりオススメできません。

ハイブリッドにするには、どのようにストリングを購入すればいいの？

ハイブリッド・ガットにする場合、困るのがストリングの購入の仕方。大きく分けて２種類の方法があります。
・単張りで売っている２つのストリングを購入して、２回分にして使う方法。
・予め、ハイブリッド・ガットとして用意されている組み合わせの商品を購入する。

人気の組み合わせは？店長のオススメは？

テニスプロショップ・ラフィノのプロ・ストリンガー冨貴塚（ふきずか：2010年筑波Ｆオフィシャルストリンガー）のオススメの組み合わせは、縦にプロハリケーン、横にパワジーのＢabolatコンビ!!!プロハリケーンは耐久性やしっかりとした打球感に定評があり、パワジーは特殊なコーティングが施されておりストリング同士の摩擦を最小限に防ぎ、独特の柔らかい打球感をプラスします。