人気急上昇「ピックルボール」の日本市場にヨネックスが新規参入。パドル2機種を発表

ヨネックス株式会社が、人気上昇中の新スポーツ「ピックルボール」の日本国内市場に新規参入することを発表した。7月3日に東京・品川で記者会見が行なわれ、ピックルボールの説明やラケットであるパドルの新商品紹介、リオオリンピック金メダリストの高橋礼華さん(バドミントン)の体験談も語られた。

高橋さんがピックルボールの体験談を語った

「ピックルボール」というスポーツを初めて聞く人も多いだろう。1960年にアメリカで発祥したラケットスポーツで、老若男女が楽しめるため近年アメリカで競技人口が急激に増加。プロリーグも誕生し、アメリカ国内で最も急速に成長しているスポーツとなっている。

バドミントンと同じサイズのコートを使い、プレー内容はテニスと卓球の要素が加わっている。3つのスポーツのどれかを経験したことがある人なら、簡単にプレーできそうだ。

「ピックルボール」の魅力は手軽に簡単にプレーできること。アメリカ・シアトルのある家族の裏庭で生まれたことからも、小さいスペースでプレーできることがわかる。そして、体験した高橋さんが「ラケットが短く、プラスチックのボールには穴が開いているのでスピードが出ません。だから子どもから大人まで誰でもできるスポーツです」と言うように、プレー自体が簡単にできるのもポイント。無理なく気軽に身体を動かせる。ボレー禁止ゾーンなど独自のルールもあるが、それは子どもから高齢の方まで幅広い層がプレーできるようにするために工夫されたものだ。

7月下旬にヨネックス株式会社から発売されるバドル2機種。テニスラケットより小さく扱いやすそう

ラケットとなるパドルは、38~40センチぐらいの長さで、170~255グラム程度の重さ。テニスラケットよりも扱いやすそうであることは一目瞭然だろう。その上、ヨネックス株式会社が7月下旬に市場に投入するパドルは、他スポーツで培ってきたカーボン繊維の技術を存分に投入。200種類以上の中からパドルに最適な組み合わせを選定し、100を超える試作を経て誕生したものである。

爆発的なパワーと広いスイートエリアを実現する「EZONE」と、球持ちと圧倒的なスピンを生み出す「VCORE」の2機種がプレーをサポートしてくれることは間違いない。

日本市場参入の熱い思いを語ったヨネックスジャパン社長の米山修一氏

ピックルボールに興味が湧いてきたとしても、どこでプレーできるのか? 日本で人気が出始めたとはいえ、現状では競技人口は1万人ほど。しかし、成長しそうな雰囲気はある。今年、愛知県で初めて国際大会が開催されるのだ。

2022年に米国市場に参入している、ヨネックスジャパン社長の米山修一氏は、「日本でもピックルボールの話題が出てくるようになり、時期が来たと思い新規参入を決めました。事業の柱になるように、ピックルボールをしっかり育てていきたい」と気合を入れている。今後、モールのちょっとしたスペースや、スポーツ会場などで、ピックルボールを見る機会も増えそうだ。そんな時は、ぜひ1度体験してみよう。

取材/赤松恵珠子