今年でコーチを初めて13年目、色々と思い出はありますが、選手が栄光を勝ち取った瞬間に立ち会えることはコーチにとって数少ない喜びの瞬間ですし、これまでの苦労も報われるものです。
ビッククラブであるSSCでは全国優勝は当たり前のようにあり、コーチを始めた頃はアカデミーに添田豪や中原健一郎というトップ選手が在籍していて、毎回のように優勝トロフィーを持って帰ってきていました。
しかし、直接の担当ではなかったので、いつかは自分が携わった選手が全国で優勝することを目標にしてきました。それまでもチャンスは何度かありましたが、やはりチャンピオンになるということは難しくその度に跳ね返されて悔しい思いをしていました。
私にとっての最初の全日本ジュニアチャンピオンは18歳の女の子で、高校1年でSSCに移籍して来た時には全国的には無名の選手でした。結果を出すに連れて私が担当することになりましたが、特に武器もなく、性格的にも優しい子で決してプレイヤー向きの性格ではありませんでした。ただ、彼女の良かった点はひたむきに練習をすること。この一点だけでした。
そんな選手が全日本ジュニアで、本命の選手を次々と破り上位に進出しました。それでもまだ優勝出来る予感はなく、ただ目の前の一戦を一生懸命戦うだけでした。決勝もどちらに転んでもおかしくない試合でしたが、最後までひたむきに諦めることなくボールを追い、優勝を決めました。
私にとっても彼女にとってもこの優勝は最高のご褒美でしたし、一緒に努力したことが報われる最高の瞬間でしたが、常にひたむきに練習する彼女の姿勢があったからこそ優勝出来たと思います。練習は裏切らないということを教えてくれました。
それから宏紀を含めて数多くのチャンピオンに携わる仕事をしてきましたが、今でもその感動は忘れませんし、選手を指導する時の一番の自信になっています。そんな経験をさせてもらった自分はコーチとして本当に恵まれていると思います。今後もお互いに成長出来るような選手と携わっていきたいです。
宏紀の方は宮崎選手との1R、64、61で勝ったそうです。次は杉田選手。京都に続いての対戦ですが、今回は杉田もしっかり対策を立ててくるでしょうから、厳しい試合になると思います。明日は空き日で明後日の試合となります。