ウィンブルドンDAY2
今日は錦織選手の試合を担当しました。試合前のインタビューでは「芝では他のコートで苦戦しないような相手でも苦戦することがある」と言っていましたが、今日の相手ドゥスケッパーはそんな言葉にぴったりと当てはまるタイプでやりにくかったと思います。強烈なサービスを武器にセオリー無視のダブルファーストで錦織選手を苦しめました。特にセカンドセットのタイブレークでは先にリードされ流れを持っていかれそうでしたが、勝負どころで相手のサービスのコースを読み切り改心のリターンで反撃すると一気に巻き返し相手の勢いを止め、最終的にはストレートで勝利しました。
今日は圧勝ではないものの、ある程度相手にやらせながら無理をせず、必要なところでギアを上げるフェデラーやマレーが大会序盤で見せるようなゲームコントロールでの勝ち方が出来たように思います。それには安定したサービスゲームと相手が勢いに乗ろうとした時に精神的な落ち着きがないと難しいですが、今日は見事にそれが出来ました。余計な体力や集中力を使うことなくストレートで勝ち上がったことは2回戦以降に差が出てくるでしょう。
第二試合は杉田選手対F・ロペス。グランドスラム初出場の杉田選手にとってはタフな相手ではありましたが、序盤からラリーを支配する場面が多く、厳しい場面も凌いで接戦に持ち込みますが、後1本を取ることが出来ませんでした。特にファーストセットではタイブレークでセットポイントがありましたが、バックのダウンザラインがわずかにアウトとなりチャンスを逃しました。こういった後々まで引きずってしまうような落とし方をした後はプレーの質がガクンと下がってしまうことはよくあることですが、セカンドセット以降も最後までファイトして、二度、三度とタイブレークまで持ち込む粘り強さを見せたことは敗れはしましたが、立派な戦いだったと思います。今のプレーをすればトップ選手と互角の戦いが出来ることは証明されたので、早くランキングを上げて、GS出場の常連になってくれることを期待しています。
そして、伊藤選手も残念ながら敗退。予選決勝の大逆転勝ちを思い出させる2セットダウンからの巻き返しでしたが、最後は第4セットのタイブレークで力尽きました。それでも深くて速いラリーの応酬は非常に見応えがありました。以前はロングマッチになると痙攣など、フィジカル面で惜しい試合を逃してきましたが、そういった不安も解消されよりタフになっている印象を受けたので、今後更に飛躍してくれると思います。
明日からは2回戦。日本勢は女子シングルスに勝ち残った奈良・土居両選手の試合を中心に放送となります。