ストリンガーの見分け方4(張り上がりでの注意点)
張りあがりのチェックポイントは分かりやすいものが多い。 |
よいストリンガーを見分ける方法が本当にあるのだろうか…。
第4回は「張り上がりでの注意点」として、9つのチェックポイントをお届けします。
#ラケットにストリングを張ることをストリンギング、張り替えることをリ・ストリングといいますが、ここでは一般に分かりやすくガット張りと記述されています。
#本来は「ガット」とは、牛の腸などをつかったナチュラルガットを指し、シンセティックとナチュラルを含めた「糸」全てを総称してストリングと呼んでいます。
張り上がりでの注意点
ラケット面を見てチェック
Q:クランプを止めた跡の位置は?
クランプとは、張るときにストリングを止めるものです。本来は、フレームぎりぎりに止めます。
内側で止めるとその分、ゆるみやすくなります。もし、フレームからボール一個分以上内側にクランプを止めた痕がある場合は、テンションが正しく出ない場合が多くなります。
Q1:メイン・クロスのストリング交わりの角度は?
当然、直角。そのようにできていますから。また、そのように張り上げるのが技術です。もし、クロスが「弓なり」になっていたなら適切なテンションは出ていません。
適切でないと、ボールを30分も打てば緩んでしまいます。張り上がりとは比べモノにならないトランポリン状態の飛び過ぎになりコート内におさまらなくなるかもしれません。
Q2:斜めから見ると?
張り上がりを斜めから見て交差する高さが一定なら合格。場所によって違う場合、一本一本のテンションにバラつきが有る証拠です。
Q3:ラケットの横を見てみよう
フレームの外側に走るストリングがどうなっているでしょうか?
・並行するはずのストリングが斜めになっている
・並行するはずのストリングがクロスオーバーしている。
・フレーム外側のガットの重なりが3本平行している。
ストリングが長くなりテンションロスの原因になります。
これは、よいストリングとは言えませんね。
スロートやシャフトを見てみる
Q:スロート内側のメインガットにホコリ
あるガットメーカーのガットの表面には 特殊な油が塗ってありマシン周りが床が汚れていればそのホコリを拾ってしまいます。ストリンギングに対する技術や意識が高ければ、このホコリが付いたままになっているのは許せないはず。
Q:テンションシールが積み重なっている
以前、持ち込まれたラケットにテンションシールが貼られていました。妙に厚みがあるテンションシールと思ったら、8枚も重なっていました…。記録なら、カルテやPCに残せばいいと思いますが・・・
触ってチェック
Q1:隣り合ったクロス・ストリングを2本をつまむと?
ストリングをつまんでも、簡単にくっつかないなら合格です。適切なクロスガット(横ガット)のテンション処理がなされていると、簡単にくっつきません。
もし、クロスガットのテンション処理が出来ていない(簡単につまめる)場合、スピンがかかる前にボールが飛び出してしまいます。
Q3:叩いてみて、いい音がするのはどこかな?
真ん中が正解です。正しい張りができていると心地よい「すぐにもボールを打ちたい」気にさせる音がしますよ。
中心にこない場合は、テンションが均一にできていないということになります。こういう場合は、振動止めを付けさせたがりますね。
ストリンガーの話でチェック
振動止めは必要でしょうか?
メーカーはラケットやガットに非常に高額の開発費をかけています。市場には良い製品しか出てきません。ちゃんと張り上がっているならば、スイートスポットに当たった心地よい快感感触を殺す振動止めはなくてもいいと思います。
トッププロ(ポリエステル使用プロ以外)には、良いストリンガーが張り上げるので振動止めはあまり付けていないですよね。
(ただ、張る技術によっては必要かもしれません…。異常な、不快な振動を消してくれます。)
ストリンガーの見分け方1(テニスショップに入ったときの注意点)
ストリンガーの見分け方2(注文の際の注意点)
ストリンガーの見分け方3(ガット張り中の注意点)
記事:鈴木敏朗