Let's 夏テニス ~熱中症・汗対策~
青空の下、気持ちよく汗をかいてテニスをする!そんな清々しいイメージの夏テニス!
しかし、気温が高く、日差しが強い日のテニスには危険が潜んでいます。
プレー中や試合中、気持ち良く快適に動くためにもしっかりとした暑さ対策、汗対策が必要になります。
テニスにおける汗・暑さ対策
暑さの怖さ
気温が高い日のテニスに屋外、屋内問わず気を付けたいのが熱中症です。夏場の屋外のハードコートなどは体感温度が40度を越えるなど、予想気温より高い気温になることがあります。特におおよそ人間の体温の36℃を超えると予想される日に運動をする場合、要注意です。熱中症になると、めまい・吐き気・けいれん・意識障害・頭痛などの症状が出て、重度の場合、生命の危険も伴う可能性があります
なぜ熱中症になるの?
人間が体温を下げようとする場合、体は皮膚の表面から外へ熱を放出します。その際に、外の気温が体温より高いとうまく熱を逃がすことができません。それにより、体温が上昇してしまいます。また、汗を掻いてその汗が蒸発するときに周りの熱を奪う働きで体温を下げるという調節機能もあります(気化熱効果)。しかし、湿度が70%を超えるような日は汗を掻いてもうまく蒸発しなくなり、体温を下げられなくなってしまいます。
このように熱中症とは、体の体温の調節機能がコントロールできなくなり、体温がどんどん上がってしまう病気です。気温と湿度がともに高い日は、熱中症になりやすい条件が整っているので注意が必要になります。
テニスをする前の心得
暑い日にテニスをする前の心得として
1.充分な睡眠
2.しっかり食事をとる
3.対策グッズなどで備える
また適度な休憩を入れ、少しでも違和感を感じたら決して無理をしないことです。これらは基本的なことですが、とても大事なことです。長時間プレーする場合、ちょっとした準備で危険を避けることができます。さまざまなテニス関連グッズを使って楽しく熱中症対策をしましょう。
熱中症にならないためには、体温を上げないようにすることが大事です。冷たいタオルで体を冷やしたり、汗が蒸発しやすい環境をつくってあげることが必要です。最近では、水で濡らして首に巻ける細いタイプのタオルのようなネッククーラーもでています。そのようなアイテムを使ってスタイリッシュに暑さ対策しましょう!!
大事な水分補給
水分を蓄えておく→気持ち良く汗をかく→水分補給をする・・・このサイクルはとても理想的ですね。ポイントとしては、喉が渇いてから水分を補給するのではなく、喉が渇く前に水分を補給するということです。喉が渇き始めた時点で体の機能は低下し始めています。体重に占める体水分量の内、たった2%の水分を失っただけで軽い脱水状態に陥ります。プレー中にちょっと水分補給のタイミングを間違えてしまうと、自分では意識できないレベルでパフォーマンスの低下が進行してしまうのです。
また補給の仕方も、一度に多くの量を飲むのではなく、少量に分けてこまめに補給するのが理想的です。よくプロ選手が試合中のチェンジコートの時に何回にも分けて水を飲んでる光景を目にしたことがあると思います。体の水分吸収の速度や、直後に激しい動きをすることを考えれば、一度に大量の水を飲むのは好ましくありません。
汗と一緒に流れてしまうのが、体内のナトリウム(塩分)です。体内の塩分が減ると、けいれんや脱水症状を起こしたりしてしまいます。どんなに一生懸命、水分補給してもドリンク内の塩分が少なければ、体内で吸収されず尿になって出ていってしまいます。給水の際は飲み物の塩分量に注目しましょう。
オシャレで機能性が高いウェアを着てコートデビュー!!
昔のTシャツ、ポロシャツを着ていると汗を掻いたときにプレーに悪影響を及ぼすことがあります。例えば綿(コットン)素材のウェアを着ていると、汗を掻いたときに肌に「ペッチャ」っと引っ付いて気持ちが悪い感触になります。そうなると、動くたびに体にシャツがまとわり付いてきてプレーに集中出来なくなります。そこで、最近の各メーカーからでているウェアの多くは"吸汗速乾素材"を使っています。
※吸汗速乾素材・・・素材の繊維が多孔化されていたり、断面が細かくなっていたりと水分を素早く吸収する構造になっている素材のことです。綿素材より何倍も早く乾いて肌にまとわりつくことはありません。
人間本来の体温調節機能で熱中症を防ぐのは限界があります。機能性の高いアイテムで完全防備したい!!
「でも機能性だけじゃつまんない」っとの声も聞こえてきそう・・・
でも心配はご無用です。最近の各メーカーから出ている最新のウェアは、機能性だけでなくデザイン性にも優れたものになっています。
コート内では快適にプレーして、コート外ではみんなの注目を集める。そんなあなただけの理想的なスタイルを作り上げていきましょう。
最近、注目を集めているのが吸汗速乾に優れたアンダーウェアです。これは、通常のテニスウェアやTシャツの下に着るものです。「これは着たら暑いのでは?」という声も聞こえてきそうですが、吸汗速乾に優れたアンダーウェアは掻いた汗をすぐに蒸発させて、体の体温を下げる手助けをしてくれます。なので着ていても暑く感じない、むしろ涼しく感じるのです。
他にも、肩甲骨(けんこうこつ)をサポートする構造になったものや、体の姿勢を良くする効果があるアンダーウェアもあります。このような最新アイテムを使って普段のテニスをより快適なものにしていきましょう。
また、ヨネックスから発売されているウェアでは、キシリトールを素材に配合した機能性ウェアがあります。効果としては、キシリトールが水や汗などに接すると、熱を吸収して体温を約3℃低下させ、身体を涼しく感じさせるものがあります。これなら汗を掻くことを気にせずにプレーに集中することができます。
プレーの邪魔者になる汗
☆おでこや頭からの汗
⇒代表的な快適プレーの妨げになる汗は、額や頭からの汗。とくに夏の時期になると、1つのポイントが長引けば長引くほど額からの汗が目に入ってきます。それをいちいち拭いながらプレーをしていたら、判断も遅れ、プレーに集中できなくなってきます。
☆わきの下や体の汗
⇒わきの下や体から掻く汗は衣服にまとわりつき、動きを悪くする原因になります。吸収性の悪い生地のウェアだと、十分に汗を吸ってくれず、肌がかぶれてしまう場合があります。
☆意外と軽視しがちな足の汗
⇒足は手と同じように汗腺が多い場所で、汗を掻きやすい場所です。長時間テニスをする場合、ウェアは頻繁に交換するのに靴下は軽視されがちです。「面倒だから」や「忘れた」などが原因だと思いますが、足に汗を掻くと靴下が湿って靴の中で滑りプレーに影響してきます。実は、湿った靴下でプレーすると靴の中で摩擦が起こり足腰に余計な負担が増え、痙攣(けいれん)などを起こしやすくなるのです。それに匂いも気になりますね。
プレー中の汗対策
頭から襲い掛かってくる汗対策
そこで対策としては、帽子、サンバイザー、ヘアバンド、ハチマキ、などがあります。ナダルやフェデラーをはじめ、最近では多くのプレーヤーがヘアバンドや帽子を着用しています。
これらのヘッドアイテムを着用すると、おでこや頭からの汗を吸収してくれて、まったく目に汗が入りません。また、帽子は同時に紫外線対策や熱中症対策にもなるので日差しの強い日には必需品です。
足の汗対策
長時間(2~3時間以上)のプレーをする場合、季節に関係なくこまめな靴下の交換を心掛けましょう。特に人気なのが5本指ソックスです。足の指を1本1本隔離して、足を清潔な状態に保ちます。また、地面へのグリップ力(掴む感覚)も上がるのでフットワークにも良い影響を及ぼします
また、最近ではアディダスからクライマクールといった機能の付いたシューズが発売されています。クライマクールとは、シューズの中に風を送り、熱と湿気を奪う設計技法です。このように、最新の技術で靴の中の熱を外に逃がすことができれば、より快適なテニスライフが約束されます!!
それでも熱中症になってしまったら
体を冷やして体温を下げる
いろいろ対策したが熱中症になってしまった。
その場合すぐに
1. 涼しい場所で安静にする
2. 体を冷やす
3. 水分補給をする
直射日光などを避けて、風通しの良い涼しい場所に移動します。わきの下や首周辺の太い血管が通ってる箇所を、氷などで冷やし体温を下げます。そして吐き気や嘔吐などがなければスポーツドリンクなどを飲む。このような処置は、あくまでも応急処置であって、意識がなかったり問いかけへの反応が悪い、しっかりと喋ることができない等の症状がある場合、すぐに病院へ行く(連れて行く)ようにしましょう。
記事解説
テニスショップLAFINO店長:西山克久
ストリンガー歴16年。皆様とのご縁を大切にインターネットであっても人のぬくもりを感じて頂ける接客で、皆様のテニス生活を応援させて頂きます。
テニスカフェでは「西山てんちょー」というニックネームで参加してます!
見かけたら気軽に声をかけてくださいね!