西岡良仁が投資家として関わる「TENTIAL」とサプライヤー契約を締結。新ウェアで全豪オープンに出場
ATPランキング69位(2024年12月23日付)、日本人トップの西岡良仁(ミキハウス)が、コンディショニングブランド「TENTIAL」(テンシャル)を展開する株式会社TENTIALとウェアサプライヤー契約を締結したことが1月10日、発表された。西岡は今回の契約により開発されたユニフォームを着用して1月12日開幕の全豪オープンに出場する。
■西岡と株式会社TENTIALの「出会い」から「サプライヤー契約」まで
2018年設立のベンチャー企業・株式会社TENTIALは「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す」をミッションにコンディショニングブランド「TENTIAL」を展開し、アスリートの知見や最新の技術・研究を活用し機能性を軸とした製品を提案している。
西岡は、2017年にマスターズのBNPパリバ・オープンで世界ランク14位のトマシュ・ベルディベルディフ選手に逆転勝利し大会後の世界ランキングで自己最高の58位を記録するも続くマイアミ・オープンの試合中に左膝前十字靭帯断裂の怪我を負い手術を受けることになった。
それがきっかけでテニス以外にも様々なことを学ぶ必要性を感じ、投資の勉強を始める中で株式会社TENTIALの中西裕太郎代表取締役CEOと出会う。中西CEOの思いに共感した西岡は会社設立初期から投資家として株式会社TENTIALを後押ししている。
今回のサプライヤー契約は西岡の「長く現役生活を続けられるような試合用のウェアをTENTIALと共に作りたい」との思いからスタート。TENTIALにとってプロアスリートのウェア製作は初の試みとなったが、西岡へのヒアリングを重ね完成させた。
ウェアは西岡からの依頼に応えるもので、現在のところ製品化の予定はないが、中西CEOは「今後、西岡選手から試合でウェアを着用する中でフィードバックをいただき、ブラッシュアップを重ね、コンディショニング向上や選手寿命の延伸をサポートできるウェアを目指していきます。また、他のTENTIAL製品についても積極的に使用いただき、フィードバックをいただく予定です」とウェアの改良や進化を続ける意向を語った。
■TENTIALのウェアで全豪オープンに出場「ある程度勝っていける自信があります」
西岡選手は2023年の全豪、全仏でともにベスト16進出を果たしたが、2024年の全豪オープンは怪我をおしての出場となり初戦敗退となった。
2025年の全豪オープンは1月12日に開幕する。西岡選手は今回のサプライヤー契約で製作されたユニフォームを着用して出場。「昨年怪我の中での出場で悔しい思いをしたので、今年こそは上位に食い込みたい。元々結果が出てた大会で相性が良い印象を持っているので、コンディションをしっかり作れればある程度勝っていける自信があります」と目を輝かせた。
■2025年の目標は「シード権獲得」と「グランドスラムでの勝利」
さらに「2025年の抱負」を問われると「去年テニスが大きく変わった。変化があった年だったので定着すれば勝てそうだと思っている。ランキング50位を切ってシード権を取りたいです。また、去年は初戦負けが続いてしまったこともあり、グランドスラムでもう一回勝ちたいです」とシード権獲得とグランドスラムでの勝利が目標だと明かした。
■30代突入に向けた抱負も「まだまだ最前線で戦い続けたい」
今年9月27日には30歳の誕生日を迎える。「30代に突入するうえで意識していることは?」との質問には「体調管理やコンディショニングをより重視していきたいと思っています」と答えた。
「テニスは1試合の負荷が高い競技なのに加え、シーズン中は海外を飛び回るため時差の調整や飛行機での移動で試合以外でも負荷が大きいです。長い現役生活の中で、連戦やシーズンを通じて戦うことに慣れた一方で、年々体力の変動や怪我のリスクの増加を身にしみて感じる瞬間が増えてきました。ベテランという域に差し掛かる中で、自分の体を正しく理解し、コンディショニングを意識した生活をしていきたいです」とコメント。「また、ジュニア世代の育成にも力を入れたいです。プロデュースしている『Yoshi’s cup』を大きくしたり、より良い環境を作っていくサポートを行っていきたいです」と日本テニス界発展への貢献にも力を入れたいと語った。
「テニス選手は35歳が平均引退年齢と言われており自分も29歳になりましたが、まだまだ最前線で戦い続けたいと考えているので、今後はTENTIALさんに『コンディショニング』をサポートいただきたいですし、自分もアスリート視点で商品へのフィードバック等を通してTENTIALさんに貢献できれば嬉しいです」とTENTIALへのさらなる期待を語った。
構成:Tennis.jp