今日は予定通り、TTCに全国選抜ジュニアを観戦しに行きました。14歳、12歳以下の選手たちのフレッシュでピュアなプレーに元気をもらいました。試合中に見せる大人の部分と、コートを離れた時の子供の部分が見えて面白かったです。14歳の遠征の時はコートの中にいてくれる方が楽で、「ガットが切れました」「洗濯はどうしたらいいですか?」「グリップテープ自分で巻けません」など、普段の生活を指導する方が大変だったのを思い出します。
試合の方はパッと見た印象では全体的にみんなうまかったです。ストロークがしっかりしていて激しい打ち合いをしていました。低年齢の場合は精神的にも駆け引きやずるさといった試合運びの上手さはまだないので、ボクシングで言えばノーガードの打ち合いのような試合になるので余計にそう感じるのかもしれません。成長が早く、身体の大きな選手がスピードで押す展開も多く早生まれが有利なのもこの年代の特徴です。
しかし、国内ではスピード競争で勝ち進むことが出来ても海外のスピードは更に上です。ディフェンス能力も高く、簡単には決めさせてくれません。スピードいらないという訳ではありませんが、それだけでは勝てないのが現実です。日本人はやはり「スモール」なのです。海外に行っても小さい選手はいますが、みなテクニックに優れています。それは低年齢の頃から自分は「スモール」だということを自覚して、自分が生き抜く道を早くから学ぶのだと思います。
ノーガードの打ち合いと書きましたが、ショットのバリエーションが少ないので、同じようなラリーの展開になりますし、ボレーがないので余計なラリーが増えます。「スモール」な選手がこれから勝ち抜いていくにはどちらも必要なことです。アングルショットやドロップショット、バックハンドスライスなどのバリエーションを増やして欲しいです。ボレーも必ず必要です。今は必要性を感じないかもしれませんが、プレースタイルは何でも出来る中からチョイス出来るようになるべきです。出来ないプレーを取り除いて、残ったものを自分のプレースタイルにしてしまえば幹の細い、枝の少ないやせ細った木になってしまいます。低年齢の今だからこそ、将来を見据えて幹が太く、枝や葉まで栄養の詰まった木を目指して欲しいと思います。
ここで選ばれたメンバーは夏にヨーロッパへ遠征に行き、最後には世界大会もあります。ヨーロッパでの大会は通称「ヤングスター」と呼ばれる、若いジュニアの登竜門です。ナダル、フェデラー、シャラポワ、など多くのトップ選手がこのヤングスターシリーズに出場していますし、今の世界ジュニアトップ10の中にもヤングスター経験者が多いです。ここで世界を知っておくことは非常にプラスになりますし、自分の足りないものを気付かせてくれる最高の場所です。勝ち残っている選手はこのチャンスを掴んでください。
今はTTCから山梨に移動してきました。明日は石井テニスアカデミー甲府店1周年記念のイベントがあります。スタッフは今も明日の準備に追われていますが、クラブが盛り上がるようにみんな頑張っています。明日はクリニックや、エキジビションなど来ていただいた皆さんに楽しんでいただけるように頑張りたいと思います。