昨日の試合

コメントをいただいたみなさん昨日はどうもありがとうございました。昨日更新をしようと思ったのですが、そこまでの気力がありませんでした。

昨日の試合は64、16、26。最初から上手くいかず、ファーストセットを取れたことが不思議なくらい杉田のプレーは気迫十分でした。戦術、集中力の高さも含めて昨日は杉田が勝つべくして勝った。それだけだと思います。宏紀も所々で良いプレーを見せることは出来ましたが、トータルで見ると完敗です。

ファーストセットこそ1-4から逆転で取りますが、セカンド、サードはブレイクポイントも握らせてもらえませんでした。杉田の勝利は「現実」で宏紀の勝利は「理想」でした。杉田は勝ちにこだわり宏紀は内容にこだわりました。宏紀は宏紀なりに今自分が取り組んでいるやらなければいけないプレーを理想として、上手くいっていなくてもそれを突き通そうとしました。杉田は自分のスタイルを崩しても勝つということを目的とし、よりシンプルでした。手段を選ばず勝つことのみを追求してきた相手に対して宏紀のプレーは理想ばかりで青かったです。若さが出ました。

試合を見た方であれば2人の勝負に対する姿勢や集中力、ミスをした時の態度を見れば差は歴然だということを感じたと思います。そうさせてしまったのは宏紀が上手くいっていないのにファーストセットを取ってしまったということにも勝負のアヤがあります。一昨日の伊藤戦のようにファーストをダウンしていれば切り替えて、冷静な状況判断が出来たと思いますが、昨日はセットを取ってしまったことで、これでいいんだと思い違いをしてしまい、セカンドセット以降は相手のペースにはまってしまいました。そこは勝負の難しさです。ではそうなった場合どうするか・・・。ダイスケさんからのコメントにも質問がありましたが、あの場面で勝つには「我慢」です。昨日、宏紀がポイントを取れていたのはロングラリーからの展開。焦って攻めた時は上手くいっていません。焦らず、我慢をしてラリーでテンポを掴む。相手に少しでもミスをさせる。「先にミスをした方が負け」というテニスの原点を思い出すべきでした。そこで負けているのにそこから先の展開はありません。もっと我慢して、もっとラリーすることが正解だったと思います。それが出来なかったこと、気付けなかったこと、我慢出来なかったことが宏紀の若さで、理想を追求することが裏目に出てしまいました。

これはこれでまた一つ勉強になりました。勝つためにはもっと色々なバリエーションのあるプレーが出来なければなりません。幸か不幸か宏紀の上には追い越していかなければいけない存在の選手がたくさんいます。彼らに勝てなければ全日本で優勝することは永遠にあり得ません。もう少し時間はかかりますが、もっと鍛えて出直します。

全日本選手権ベスト8。これは今の正しい評価(結果)でしょう。驚きもありませんし、物足りない感じもしません。ちょうどです。去年は試合が終わるごとにメディアの会見がありましたが、今年は大御所の引退が相次いだということもあり会見に呼ばれることもありませんでした。寂しい感じもしますが、逆に言えばこれくらいの力はあるということを周りが認めてくれている裏返しだと思います。後は着実に階段を上がり、上に迫るだけです。

ゆっくりしたいところですが、月曜から慶應チャレンジャーがあるので明日からは会場に入り練習です。慶應→トヨタ→東アジア大会と12月中旬まで試合は続きます。最後までガス欠することなく走りきって欲しいです。


コメント

  1. 暁 さん : 2009.11.14

    とても解りやすい解説ありがとうございました。
     
     青くて、若くて当たり前だと 私は思います。19ですから…
     活き良いとか、運だけで頂点に立っても その後が大変ですよ キット! 
     本人にしたら 悔しいんでしょうが…..(;-;)
      
     それに、そんなに早く駆け上がってしまうと、国内の大会の出場が減ってしまうでしょう? もっと観戦させて下さい。
     (これが一番の本音だったりして…..(@@;))

     慶應 頑張ってください。ネッ!!!!v(^^)/~

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  2. Pearl さん : 2009.11.14

    谷澤さん、ブログの更新ありがとうございます。テニス観戦歴1年の自分が応援するときの心構えは、「ファーストを落としたからといって落胆する必要もないし、反対に、先取しても安堵してはいけない」というごく単純なものだったのですが、ブログを読んで、「ファーストを取ってしまったが故の敗戦」ということもあるのだと知りました。テニスは奥が深すぎます・・・。この後の国内の試合は(準)ライブスコアがあるでしょうから、万難を排してでも(!)パソコンの前に座って応援します!! ファイトです!!

    昨日は、JTAオンラインを見ながら応援していました。動いている守屋くんを見るのは、2月の日本リーグの映像以来です。入場してくる選手を見て、「えっ!これが守屋くん?」そう思いました。これまでネット上で写真は何枚も見ていましたが、いつもニコッとしていて、まだ「かわいい」という形容詞を使っても許されるようなイメージがあったからです。昨日の守屋くんは、体が一回りくらい大きくなり、雰囲気もずいぶんと大人っぽくなっていました。

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  3. aries さん : 2009.11.14

    全日本選手権お疲れ様でした。

    現地で守屋君の試合を応援していましたが、確かに谷澤さんの更新されたブログ内容を見て納得しました。

    杉田選手に関しては勝に拘るテニスで途中から緩急つけたり自分からミスをしないテニスを織り交ぜてた様に見えました。

    守屋君は自分から攻めていく姿勢は最後まで感じましたが要所要所のポイントで杉田選手の守りのテニスを崩せず先にミスしてしまうケースを後半よく見かけました。

    でも、今年は残念でしたが課題がまだまだ有ると言う事はまだまだ強くなれると言う事だと思うので来年はもう1ステージ上のテニスで良い結果を出せると信じてます。

    後、今回の全日本を見て思った事でサービスが各段に良くなったと思いました。

    来週の慶應チャレンジャーも応援に行こうと思うので谷澤さんと一緒に頑張って欲しいですね!!

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  4. 谷澤コーチを尊敬する一人 さん : 2009.11.14

    解説ありがとうございました。全日本の試合は見たことがなかったのですが非常にエキサイティングな試合でした。
    特に守屋プロのプレーはミスもありましたが積極的にポイントを取りに行くもので見ていて楽しかったです。
    勿論、勝ってなんぼの世界ですがストローク一辺倒ではなくしっかりしかけていく、ボレーやテンポの切り替えは今回見た試合では唯一守屋プロだけだった気がします。
    (偉そうにすみません)

    是非、今後の活躍を応援させて頂きたくおもいます。

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  5. sou さん : 2009.11.15

    谷澤コーチは、宏紀くんも想定していない高みを視野に入れておられるのでしょう。AIG予選では103位の選手を破り、先のフューチャーズでは130位の選手を破った杉田プロは、その優勝スピーチで、全豪本戦入りの抱負を我々の前で堂々と表明してくれました。明らかに宏紀くんをライバル視している杉田くんの「お先に失礼します」挨拶として、杉田くんには悪いけどばらしちゃいます。宏紀くん、迷わず谷澤コーチについて行こう!と言わずもがなですが、あらためて声に出したい気分です。

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  6. sadakun_d さん : 2009.11.15

    白熱の全日本は添田-杉田の決勝戦で幕。湘南工附が元気だった印象です。かつては柳川高だなあ~でしたけど

    守屋選手は慶應チャレンジャー-豊田ダンロップと参戦

    豊田は谷澤コーチもでしょうか。地元豊田ですから足を運ばなくちゃ

    お逢いしたいなあ

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  7. 谷澤 さん : 2009.11.15

    コメントをいただいた皆様へ
    コメントありがとうございます。
    皆さんのコメントはきっと宏紀も目を
    通していると思います。それを力に変えて
    これからも頑張ってくれると思います。
    これからも応援よろしくお願い致します。

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