「東レPPOテニス2026」(東京・有明コロシアム/WTA500)は、10月27日に大会2日目を迎え、シングルス8試合とダブルス3試合の1回戦が行われた。この日の最大の注目は、大坂なおみ対ジャスミン・パオリーニ(イタリア)戦。

パオリーニは2024年の全仏オープンとウインブルドンで準優勝し、現在のランキングは35位と落ちているが、キャリアハイ4位の実力者だ。大坂は現在18位で、久々の東レPPOの出場に気合いが入っている。2人の対戦は2025年に1度あり、その時は大坂が敗れている。

大坂は鶴の模様が入った青い衣装をまとって登場。グランドスラムでの登場衣装が常に話題になるが、今回は故郷での試合ということで、「スペシャルな物を日本で披露したい」という思いがあったと言う。母親の出身が北海道であることに着想し、青地に大きく鶴の模様が入った衣装になった。

パオリーニ 写真:伊藤功已

2人の試合は予想通り面白い内容となる。大坂はパワフルなショットを打ち込んでポイントを取る。パオリーニはコースを頻繁に変え、常にコート内で打てるチャンスをうかがい鋭いショットを放つ。

ただ、大坂はファーストサービスの確率が悪く、スムーズにキープできていたわけではない。パオリーニにとっても、大坂のパワーのあるショットを受けながら、甘いボールを返球しないようにし続けるのは難しく、ミスは出ていた。どちらにもチャンスがある中、大坂が第1セットを6-3で取る。

大坂なおみ 写真:伊藤功已

第2セット5-6のゲームで、パオリーニがセットポイントを3本握るが、この場面で大坂は「落ち着こう」と自分に言い聞かせて、「自分のペースを崩さないことが大事」だと考えた。自分の武器である強いショットを打ち、できるだけミスをせず、サービスで攻める。これが機能してピンチをしのぐ。

タイブレークでは自分がするべきことが明確になったことから、自信を持ってプレーし、ストレートで勝利を手に入れた。「過去の試合で負けているので、いい形で終われて良かったです。何よりも皆さんの前で良い試合ができたことが本当にうれしいです」と、久々の東京での勝利を喜んだ。

坂詰姫野 写真:伊藤功已

センターコートの3試合目には、主催者推薦で出場の坂詰姫野が、レイラ・フェルナンデス(カナダ)と対戦した。25歳の坂詰は今季全豪オープン本戦に初出場、全米では本戦初勝利を挙げるなど好調で、現在はキャリアハイとなる114位にまで上げている。

対するフェルナンデスは、2021年全米オープンで準優勝した24歳。左利きで頭脳的なプレーをする。現在のランキングは23位で、前週の寧波オープンでは決勝に進出しており、調子が良い反面、疲労が心配される。

フェルナンデス 写真:伊藤功已

試合序盤、フェルナンデスの展開が早く、坂詰は動かされる状態になり後手に回ってしまう。「自分がうまくリズムをつかめないところを、しっかりチャンスを見逃さずに攻め込まれてしまった」と坂詰が振り返る通り、一気に0-5までリードされる。

しかし坂詰は武器であるフットワークを使ってくらいついていく。走らされても追いついて返球し、2人が前後左右に動くようなロングラリーになると、ポイントを取ることが多くなった。しかし、0-5からの挽回は難しく、2-6で第1セットを失う。

疲労が影響しているのか、フェルナンデスの精度が落ちてきた中、坂詰は調子が上がり始め、ラリーでも対等に打ち合えるようになる。しかし、ブレークはできない。逆にフェルナンデスは、ブレークのチャンスを逃さず、ギアを上げてリードを奪った。坂詰は最後までブレークできず、4ー6で1回戦敗退となった。

試合後に坂詰は、初戦で上位選手と戦う時にはスタートから良いリズムで臨めるように「試合に入る時の準備を見直して」いくことと、「総合的に足りなかった部分も多かった」と感じた「トップ選手との差」を埋められるように強化していきたいと語った。

坂詰は1回戦敗退となった。写真:伊藤功已

◇10月27日の結果◇
■シングルスの結果■
○マヤ・ジョイント (AUS)[Q]6-3 7-6(4)●ソラナ・チルステア (ROU)[6]
○ユリア・プチンツェワ (KAZ)[Q]6-4 3-6 6-1●マリア・サカリ (GRE)
○レイラ・フェルナンデス (CAN)6-2 6-4●坂詰姫野 (JPN)[WC]
○大坂なおみ (JPN)[7]6-3 7-6(4)●ジャスミン・パオリーニ (ITA)
○エカテリーナ・アレクサンドロワ(RUS)6-4 6-4●アン・リー (USA)
○クリスティナ・ブクサ (ESP)7-5 6-1●ディアヌ・パリ (FRA)
○アレクサンドラ・サスノビッチ(BLR)[Q]64 67(5) 63●ニコラ・バルトゥンコバ (CZE)
○ミア・ポハンコバ (SVK)[WC]6-1 6-4●テレザ・バレントバ (CZE)[Q]

■ダブルスの結果■
○テレザ・ミハリコバ/オリビア・ニコルズ (SVK/GBR)62 63●エリン・ラウトリフ/アルディラ・スーチャディ(NZL/INA)[3]
○イングリッド・ニール/ジュリアナ・オルモス(EST/MEX)4-6 6-4 (10-8)●青山修子/梁恩碩(JPN/TPE)
○エレン・ペレス/デミ・シュールス(AUS/NED)[4]6-4 3-6 (11-9)●湯千慧/徐一璠(CHN)

10/29(木)のオーダー・オブ・プレー

東レPPO大会公式サイト

取材:赤松恵珠子 写真:伊藤功已