
2026年7月29日から8月4日までの7日間、吉田記念テニス研修センター(千葉県柏市)にて開催される『NEXT GEN SUMMER JUNIOR TENNIS CAMP 2026』がスタートした。テニスコートに、日本とアジアを含む8カ国から集まった約50名のジュニア選手たちの元気な声が響き渡る。一見すると多国籍な合同合宿だが、その背景には「アジアのジュニア育成構造を変革したい」という強い情熱と画期的なビジョンが込められている。
■ エリートだけじゃない——「成長が遅い才能」をすくい上げる挑戦
テニス界において、ジュニア期のサポートはトップ数名のエリート選手に集中しがちだ。しかし、アジアの選手は欧米人と比べ身体的な成長期が遅く、16〜17歳になってから急速に才能を開花させるケースも少なくない。環境や資金の不足により、大器晩成型のダイヤの原石が途中でコートを去ってしまうことが大きな課題とされてきた。
この課題に立ち上がったのが、本キャンプの発起人であり、コールマン・ウォン選手をはじめとする世界トップジュニアを育成する香港のカ・ポ・トン氏だ。彼女はこの取り組みの理念について次のように語る。
「アジアには、16〜17歳になってから能力が伸びる素晴らしい才能を持ったジュニアがたくさんいますが、環境や支援が足りずに途中で諦めてしまうケースが少なくありません。今回のキャンプの核となる理念は、そうした選手たちを一堂に集め、互いに刺激し合える高品質な環境を提供することです。技術、メンタル、そしてトレーニングを経て、試合に出場し、『あなたができるなら私もできる』という同じアジア人同士のモチベーションを高め合い、テニスへの情熱を持ち続けてもらうための有意義な場にしていきたいと考えています」

■ 1コート最大6名の手厚い指導体制と「多言語」の熱気
この合宿の最大の特徴は、その圧倒的な指導の質にある。1コートあたり選手は最大6名に対し、コーチが1〜2名常駐。タイの元ATPプロであるダナイ・ウドムチョク氏や、日本の元ATPプロ・本村剛一氏、そして45歳を超えて最年長プロ選手として今なお現役で活動する松井俊英選手ら豪華な陣容が直接指導に当たっている。


そして本キャンプの日本開催を統括する松井選手自身も、この合宿の「建設的な意義」を肌で感じている一人だ。
「自分自身、ジュニア時代はエリートではなくセカンド層・サード層から這い上がってきた経験があるため、このコンセプトには非常に強く共感しています。何カ国もの若い選手が集まり、1コート最大6名以下という手厚い体制で刺激し合う仕組みは、極めて画期的で建設的です。また、国内に閉じこもるのではなく、若いうちからアジアの世界観を肌で感じることは、選手たちの将来にとって大きなプラスになると確信しています」
コート上では英語を主に、日本語、中国語、タイ語が飛び交い、フットワークや戦術、メンタルコントロールといった日替わりのテーマで質の高いトレーニングが展開されている。
そして本キャンプの日本開催を統括する松井選手自身も、この合宿の「建設的な意義」を肌で感じている一人だ。
「自分自身、ジュニア時代はエリートではなくセカンド層・サード層から這い上がってきた経験があるため、このコンセプトには非常に強く共感しています。何カ国もの若い選手が集まり、1コート最大6名以下という手厚い体制で刺激し合う仕組みは、極めて画期的で建設的です。また、国内に閉じこもるのではなく、若いうちからアジアの世界観を肌で感じることは、選手たちの将来にとって大きなプラスになると確信しています」
コート上では英語を主に、日本語、中国語、タイ語が飛び交い、フットワークや戦術、メンタルコントロールといった日替わりのテーマで質の高いトレーニングが展開されている。

■ 参加選手が体感する「世界」のスピードと刺激
実際にコートで汗を流すジュニア選手たちにとっても、この合宿で得られる経験は刺激に満ちている。このキャンプが3回目となる14歳の吉田竜彬選手は「海外の選手たちと一緒に練習や生活をする中で、テニスの技術だけでなく文化やコミュニケーションの大切さを学べる環境です。コーチ陣からプロの視点に立った貴重なアドバイスを直接いただけるのは視点や響きが違いますし、この経験は世界を目指す上で大きなものがあると思っています」と語る。
そして、石川県から参加している宮下壱那選手(15歳)は、国際的な環境でプレーする価値を次のように明かす。
「日本では味わえないアジアのスピードやスタイルを理解でき、英語でのコミュニケーションの重要性も感じたので、今少しずつ勉強しています。プロの目線から自分の強みや課題を明確に指摘してもらえることも恵まれた環境だと思います。将来、世界の人から応援されるプレーヤーになろうと思っているので、体調管理なども含め環境に合わせていくことなど、いろいろ学ぶことができています」
合宿期間中には、テニスだけでなく芸人を呼んだウェルカムパーティ、かき氷、日本食フェスティバル、ピックルボール体験会などのアクティビティも用意されており、コート外でも国境を越えた友情が育まれる。
■ 8月3日・4日には「UTR大会」も開催!現在、出場者を募集中
合宿の締めくくりとなる8月3日(月)、4日(火)には、世界共通の実力評価指標である「Universal Tennis Rating」を用いた『UTR NEXT GEN TOURNAMENT』が同会場で開催される。12歳以下、14歳以下のカテゴリが用意されており、アジア各国のジュニア選手たちと真剣勝負ができる貴重な機会だ。
この「UTRトーナメント」は、合宿参加者以外のジュニアプレーヤーの出場エントリーも現在継続して受け付けており(締め切りは8/2 17:00)、優勝者にはiPad、準優勝にAirPodsが授与される。
https://app.utrsports.net/events/385688
今大会は、日本人だけでなく、アジア各国の選手と戦えるUTR大会となっている。自分の世界共通レーティングを知り、国際的な環境で実力を試したい選手にとって見逃せないチャンスと言えるだろう。
日本からアジアへ、そして世界へ。柏の地で始まったこの熱い試みが、未来のグランドスラムプレーヤーを生み出す大きな一歩となるのか、今後の展開に注目したい。
【イベント概要】
- イベント名:NEXT GEN SUMMER JUNIOR TENNIS CAMP 2026
- 期間:2026年7月29日(水)〜 8月4日(火)
- UTR大会:UTR NEXT GEN TOURNAMENT
- 開催日:2026年8月3日(月)、8月4日(火)
- 会場:吉田記念テニス研修センター(千葉県柏市花野井936-1)
- 主催:Next Gen Tennis Venture(協賛:橋本総業ホールディングス)
- https://www.instagram.com/next_gen_tennis_venture/
取材:保坂明美 写真:長浜功明

