
「東レPPOテニス2026」(東京・有明コロシアム/WTA500)は、11月1日に大会本戦最終日を迎え、シングルスとダブルスの決勝戦2試合が行われた。
決勝は第3シードのディアナ・シュナイデルとレイラ・フェルナンデス (カナダ)の対戦。この2人はアジアスイングで活躍しており、シュナイデルは武漢オープンでベスト8、寧波オープンでベスト4入り。フェルナンデスは、シンガポールで優勝し、前週の寧波オープンでは準優勝している。疲労という心配はあるものの、アジアスイングでの結果を求めて大会に臨んでいる選手が決勝にまで駒を進めた。
対戦成績はシュナイデルの3勝2敗で、最近はシュナイデルが3連勝。左利き同士で、身長もシュナイデルが170センチ、フェルナンデスが168センチと女子テニス界では大きい方ではなく、お互い広角に打ってポイントを取るのが得意だ。

試合序盤は今季初タイトルを狙うシュナイデルが、ラリーで主導権を握ることが多かった。力強いショットで打ち分け、振られても追いつくフットワークもあり、フェルナンデスがベースラインより内側でプレーできないように、ショットを深くコントロールしていた。
第1セットを6-4で取り、第2セットも4-0とリードする。このまま優勝まで行くかと思われたが、そう簡単には終わらない。「強い意志を持って最後まで戦う」と言うフェルナンデスの精度が上がってきた。
どんどんコート内に入ると早いタイミングで厳しいコースに打ちこんでエースを取る。逆にシュナイデルはプレシャーを感じ始めたのか、ミスが増えてしまう。リードはあっという間に消えて、ファイナルセットへ突入した。

フェルナンデスは調子の良さを維持し、シュナイデルは気持ちを立ち直せてはいなかった。雑に見えるプレーでミスを犯し、自分のサービスゲームで0-40のピンチを迎える。ここでゲームを取りに来たフェルナンデスのプレーがポイントにつながらず、どうにかキープし1-1のタイを保った。
シュナイデルはこの厳しい場面で、「全てのポイントでファイトして、もっとアグレッシブにいくためにはどうすればいいか」を考えたと言う。
気持ちが前向きになったことがプレーにも影響したのだろう。自身のサービスゲームで崩れそうになりながらもキープすると、リターンやフォアハンドが決まり始めた。シュナイデルがブレークに成功し、6-4 5-7 6-2で2時間18分の攻防を制した。
シュナイデルは、「心から幸せに思います。特に今日の試合は接戦になりましたので、余計に優勝できてうれしい気持ちを高めてくれています。シーズン最後にこういった良い状態で終えられることは素晴らしいと感じています」と、接戦を乗り越えての今季初優勝を喜んだ。
シュナイデルはこの優勝で13位から、昨年マークしたキャリアハイ11位に再び到達する。「今は来年のことは考えられない」というが、来年はトップ10入りを目指すシーズンになりそうだ。

■シングルス決勝の結果■
○ディアナ・シュナイデル[3] 6-4 5-7 6-2 ●レイラ・フェルナンデス (CAN)
イタリアペアがファイナルズ出場決定&優勝

■ダブルス決勝の結果■
○サラ・エラニ/ジャスミン・パオリーニ(ITA) 6-2 6-2 ●ガブリエラ・ダブロウスキー/ルイザ・ステファニ(CAN/BRA)[1]
優勝したパオリーニは「WTAファイナルズに向けてポイントを稼がなければいけないというプレッシャーもありましたが、それを成し遂げた後だったので、今日はややリラックスして試合に臨めましたし、この1週間の中では最高の試合になったと思います」
エラニも「素晴らしい大会でした。WTAファイナルズに進めることもできたので、最高の結果だったと思っています」と充実した大会だったと振り返った。
イタリアペアは準決勝に勝った時点で、WTAファイナルズ出場を決めており、決勝に勝ったことで喜びも二倍になった様子。
自分たちの強みについてパオリーニは、「私たちは3年近く組んでいますので、お互いここが合っているなというところを感じられます」と言い、39歳のベテランのエラニは、「2人で試合のこと作戦についてよく話し合います。そうすることでコート上で何をするべきかお互いに理解できすようになるので、そこが強みだと思います」と明かした。
パオリーニのストローク力、エラニのネットプレーを生かすことをお互い考えてプレーしており、エラニがセカンドサービスになった時には、サービスを打つエラニの横にパオリーニが立つという変わったフォーメーションも見せていた。
息の合ったイタリアペアのWTAファイナルズでの活躍も楽しみにしたい。



取材:赤松恵珠子 写真:鯉沼宣之

