
「木下グループジャパンオープン2026」(東京・有明コロシアム/ATP500)は、10月6日、大会最終日を迎え、男子シングルス決勝および男子ダブルス決勝、車いすテニスのエキジビションマッチが行われた。
前年覇者のカルロス・アルカラス(スペイン)にノーシードのイジ・レヘツカ(チェコ)が挑むことになった決勝戦。準決勝が終わった段階から、レヘツカは「万全の準備を整えて臨む」と言っており、その成果が早速第1ゲームで現れた。
レヘツカはラリーに持ち込むとしっかりと返球してアルカラスにミスをさせてブレークに成功。「ここは非常に良いコンディションで、良いパフォーマンスが出せている」と言うほど、レヘツカの調子は良い。特にサービスゲームは安定しているため、アルカラスにとっては厳しいスタートとなった。

右手首のケガからの復活途上であるアルカラスからは、昨年ほどの爆発力は見られない。しかし、その点を補うようにコントロールで魅せるポイントが多かった。角度の付いたショットを放ち、ストレートへ展開、相手が後方に下がった時はネット際にボールを落とすなど。ここまでの試合では時々強打するもののミスが多くなっていたことから、現状でできる中で勝てる方法を模索した結果だったといえる。
2-3のゲームでは珍しくレヘツカにミスが続き、何度もデュースが繰り返される長いゲームになる。どちらにもミスが出ていたが、アルカラスがドロップショットを決め、ブレークポイントではバックのリターンで厳しいコースを狙いブレークバックを果たす。

2人ともサービスの精度が上がり、タイブレークへ突入。先にリードしたのはレヘツカだったが、少しミスが出たチャンスを逃さずアルカラスが第1セットをモノにした。
第2セットはキープが続く中、3-3のゲームでアルカラスがブレークすると、のちのサービスゲームをしっかりとキープして、大会連覇を達成した。「今週の中で最高の試合ができたと思う」と言うアルカラス。絶好調だったレヘツカのわずかなほころびを見逃さずに勝利に結びつけた能力はさすがだった。

「怪我をした後、この大会で連覇ができたというのは、重要な意味を持つ。まだ自分の最高のレベルにはかなり遠い段階にいるが、その状態からどのように自分を良いところに持っていくかという解決策を見出していくことができている」と、万全でない中で苦心して手にした優勝であることを明かした。
そして、大会中によく言っていたのが、「ここは本当に自分にとって特別な場所。日本人の皆さんは本当に優しくて、自分を常に良い形で迎え入れてくれる」という事。笑顔の好青年が再びこの大会に戻ってきてくれることを期待したい。
■シングルス決勝■
○ C・アルカラス (スペイン) [1] 7-6(4) 6-4●J・レヘツカ (チェコ)


■ダブルス決勝■
○ A・クライチェク / N・メクティッチ (アメリカ/クロアチア) [4] 7-6(5) 5-7 10-6 ●T・アリバジェ / A・オリベッティ (フランス) [2]


クライチェク「1週間を通して素晴らしい雰囲気を作ってくれた皆さんに心から感謝します。東京は世界で一番好きな街だと断言できますし、だからこそ毎年ここに来るのが大好きです。昨年は1回戦で散々な結果でしたが、今回はこのような結果を残すことができて最高の思い出になりました」
メクティッチ「12カ月前、ここで最初の試合をしました。1回戦で負けたのは本当に残念でしたが、そこから見事に成長できたと思います。東京は大好きな街で、大好きな大会です。皆さんは世界で最高のファンです。またここに戻ってきたいと思います」
■車いすテニス・エキシビションマッチ■
〇小田凱人(東海理化)7-6(3) 4-6 10-6 ●アルフィー・ヒューエット(イギリス)


小田「可能性を感じる日になりました。今までもずっと僕の名前を日本の人に知ってもらいたいというのは常にありましたが、さらにここから、他にも素晴らしい選手はたくさんいるので、他の選手も知ってもらいながら、もっと盛り上げていきたい」
ヒューエット「この会場、この大会、そして今日の試合は、グランドスラムに全く引けを取らないものだと思っています。トキトさんと試合ができたことだけではなく、メディアの注目、一般の方々が応援してくださったこともあります。車いすテニスにとって素晴らしく重要なことだったと今振り返っているところです」
大会公式サイト
取材:赤松恵珠子 写真:鯉沼宜之

