発展の為の後退を恐れないこと

 本日の練習で、1ヶ月と1週間の長い春休みとテニス漬けの毎日が終了しました。明日からは日本人学校の新年度がスタートです。
今日の練習で、春休みの練習終了のかけ声を掛けると、まるで「チーン」という音とともに崩れ落ちた選手がいました。毎日の午前・午後の練習と13日間のキャンプにプライベートレッスン、そして、この期間中に6トーナメントの出場と、時間の許す限りテニスに費やした、彼の正直な反応だと思います。
プレイヤーズクラスの選手諸君は、大好きなテニスを目一杯出来る環境を用意してくれた親御さんに、お礼の言葉を伝えてくださいね。

今回のこの春休み期間中、タイのローカルトーナメントを絡めたテニスキャンプ、そしてタイの旧正月であるソンクラン期間中も休まず練習を行い、強化を図ることが出来ました。とても地味ではありますが、上達の為の1番の近道は、コツコツと練習を続けていくことだと思います。
しかし、タイでアカデミーとプレイヤーズクラスをスタートした8年前からほんの2年前までは、こういった当たり前のことが難しく、「チャッカリソンクラン」という合い言葉がコーチの間で度々使われていたように、ソンクラン休みちゅうは日本に帰国、1週間丸々お休みをし、レッスンスタート後にはフレームショットを連発するという選手が多かったのです。
そういったことの改善もはかり、本気でテニスに打ち込む選手が集まる為のクラスとして、最低週4回のレッスン、プレイヤーズクラスは振替も無い等というようにシステムを変更してから約2年。現在プレイヤーズクラスの約半数が週5、6回の練習に励んでいます。練習量の変更とともに、戦績も段々と付いてくるようになりました。
これ位練習するのは当たり前と思う方も多いでしょうが、ここ海外では、長期休みには旅行や、日本に一時帰国するのが当然で、その意識改革をするということが非常に大変なことなのです。
システムを変更したことで、残念ながらプレイヤーズクラスを去った選手も数名いて、後退した部分もありましたが、現在では発展の為に必要であった後退だと考えています。何かを良くしようと思った場合、一時的なマイナスやリスクを恐れて発展のチャンスを逃してしまわないことの大切さを勉強させてもらいました。

現在のチームを引っ張っている選手の姿を見て、新しく入った選手、そしてこれからプレイヤーズクラスを目指す選手は育っていきます。だからこそ、チームの中の上で練習する選手の役割というものは非常に大きく、常に進化を求めていなければいけないのです。


コメント

  1. 田原英行 さん : 2012.04.20

    酒井コーチお疲れ様です。
    海外で意識改革をすることの大変さ、よく分かります。
    発展のために必要であった後退。奥が深いです。

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  2. 酒井亮太 さん : 2012.04.23

    田原コーチ
    コメント有り難うございます。
    意識改革は大変な部分があるのですが、素直な子が多いので、やると決まれば真っすぐに頑張れる子が多いのも、特徴ですね。
    お互い頑張りましょう。

    返信

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