20090118APF.jpgタイのNo.1日系投資会社であるAsia Partnership Fund (会長, 此下益司氏)の子会社のAPF ACADEMIESがタイのバンコクに、テニススクールを中心としたスポーツアカデミーを2009年1月17日に開講した。
APF ACADEMIESでは、全日本チャンピオンの金子英樹氏や、コーチングメソッドで定評のある酒井亮太氏等がコーチを行うテニスレッスンのほか、フィットネスやダンスなども学べる。施設はバンコクでは初となるインドアテニスコート2面を中心。インドアテニスレッスンは、タイで初となる。
投資会社から見たテニスとは、どのようなものか。日本のテニス界は、そこから学ぶべきものがあるかもしれない。

Asisa Partnership Fund(APF / アジアパートナーシップファンド)は、タイを中心にアジア地域の投資ファンドとして、投資実績を持つ。タイのバンコクが拠点で、運用資産は1000億円(2008年5月現在)。アジア各国の債権・株式・不動産を中心に、限定されたPARTNERによるプライベートファンドを展開。グループは、日本ではノンバンク系の投資ファンドとしてはNo.1。代表は、此下益司(このした・みつじ)氏。
WEBサイト

APFにとってのテニスとは何か

此下益司氏は、自身も全日本選手権に出場経験があり自他ともに認めるテニス好き。APFと同じく此下氏が会長を務めるサンワホームサービスは、大阪の枚方にもテニスクラブを持つが、APFにとって、タイでのスポーツ施設への投資は初となる。常々、長期的な視点で投資を行うことを強調する此下益司氏の思いはどこにあるのだろうか。

施設:タイで初のインドアテニススクール

APF ACADEMIESは、バンコクのSukhumvit(スクンビット)Soi26/ Rama4にある。 施設は、系列会社である三和アジアリンクス社が管理。アカデミーは、全日本チャンピオンでアジア大会で銀メダルの元プロテニスプレーヤーの金子英樹氏が率いる会社によって運営される。遅い基準の世界基準のハードコートのサーフェスと、前述のようにバンコクでは初となるインドアテニスコートでプレーヤーが楽しめることも売りにする。

APF ACADEMIESの事業

此下益司氏は、社会性を育てるテニスの重要性を大切にしながら、「近年の日本テニスの成長を感じています。これは、全ての年代に対する質の高いレッスンを提供することが強調されてきたからでしょう。APF ACADEMIESは、プレーヤーが健康になるために、そして高い技術をもち強くなるために最適なテニストレーニングとコーチを提供します。」という。
APF ACADEMIESの将来のプランに関しては、 「全年代のプレーヤー、そして必要な全ての能力に対するプログラムを持つつもり」だという。 「テクニックと技能はスポーツ科学の認識とちょうど同じくらい重要です、そして、私たちはユニークなセッションのときにそれらをすべて、提供するでしょう。 私たちの目標は単に偉大なテニス選手を創造するだけではなく、新しい人々に会う場所を提供もすることです。 それはいわゆる”社会的なテニス”です。」と続ける。
また、現在、APF ACADEMIESは、日本人のテニスをする旅行者のために団体ツアーを始めることを計画しているという。 この初となる試みは、プロテニス選手や、ジュニアプレーヤーだけのためのものではないという。そして、タイ、シンガポールを始め各国からテニス選手に、その機会が提供されていくことになる。

APFは投資会社

此下益司氏は、投資会社のトップとして、アメリカから始まった金融危機という現在のグローバルな経済状況を批評して、次のように語る。
「APF Groupは、今もゆるぎない力を持っています。日本円の強さは好機ではありますが、APF Groupは、より慎重に投資を行う必要があります。」「APF Groupは、まだアジア市場が高い可能性も持っていると信じていますので、アジアの国々に注目しています。」
そしてAPF Groupは、現在2つの案件が進行中であるという。

企業にとってのテニスは社会貢献?

APFを含め、企業のトップがテニス好きであることは、珍しくない。「社会貢献」という名のもとテニスを取り入れる企業はある。また、一般に海外では、日本よりもテニスのステータスははるかに高いし、見るファンも多い。だから広告価値も日本で考える以上にある。
いずれにしても、単なる「社会貢献」で「テニス」をとらえてしまっては、「トップが好きだから」で企業としてテニスを取り入れるには、ハードルが高くなる。そして不況の際には”真っ先に切られてしまうもの”でしかなくなってしまう。
特にAPFは、前述のうように投資会社である。本来、そのハードルはさらに高いはずだ。

「単なる社会貢献ではない。APFのスピリッツは、テニスをはじめとしたスポーツから来ている。」

此下益司氏自身は、APF ACADEMIESの開校式で「これは単なる社会貢献ではない」という。では、APFにとってのテニスとは何であろうか。
「APFのスピリッツは、テニスをはじめとしたスポーツから来ている」と言い切る。「自分自身がテニスに育ててもらい、そのあとに今の事業があるのであって、単に、投資会社が社会貢献でテニス事業を始めたということではない。原点はテニスにある」と続ける。事実、APFはテニス業界出身者が、社内で大きな役割を果たしているという。
日本のテニス界が、テニスへの貢献と企業の事業をリンクするような試みに関して、APFから学べることは多いはずだろう。
APFに関する詳しい情報(HP)

写真

DSCF6055.jpg
此下益司氏の動きには、たくさんの報道陣が反応する

DSCF6057.jpg
子供たちとともに記念写真に応じる

DSCF6093.jpg
「オープニングヒット」ではテニスの腕前も披露