タレント発掘・・・

テニスを愛する皆さんこんにちは

誤解を恐れずに言うならば、世の中にはオギャー!と生まれた
時から”才能”の刻印を押された子供がいます。また、”努力”
”根性”はたまた”経済力”の刻印を押されて生を享ける子供が
います。

大抵の場合、スポーツの世界でプロとして生きていく選手には
上記の刻印の何れかが、しっかりとプリントされています。
(使い方によっては剥がれる事も多々あるらしい・・・)

欧米のサッカークラブは世界中にスカウト網を張り巡らし、
雨後の竹の子のごとく発芽するタレントを文字通り”発掘”
しています。(メッシとFCバルセロナの関係は有名ですね。)

サッカーに限らず、テニスでもメーカーやマネージメント会社
のスカウト達が、決して大げさな話ではなく第2のシャラポワを
探して世界中を飛び回っています。

日本でもプロ野球や大学スポーツ、高校スポーツでは、有力
選手を発掘して勧誘活動をしていると思います。


サッカーのJリーグでは、下部組織も充実していますので、
かなり早い段階からスカウト活動をしていると思います。

では、テニスクラブは如何でしょうか?世界に通用する選手
を育成する!という看板を掲げたクラブは星の数ほどあると
思います。有能なコーチも育ってきています。
しかし、多くのクラブは良い選手が集まる環境を作る事に
対して受身の態勢に甘んじているのではないかと思います。

ハード(施設・環境・経済力)を整え、ソフト(有能なコーチ・
才能のある選手)を集めてはじめて世界に通用する選手の
育成という看板を掲げる事が出来るのでは無いでしょうか?

キッズテニスカップをはじめとして、全国でも低年齢(10歳以下)
の大会が数多く開かれるようになっています。
我こそは!というクラブのコーチ達は、このような大会に足を
運んで、どのようなタレントが切磋琢磨しているのかを、少なく
とも把握している必要はあるでしょう。

私は引き抜き合戦をやれ、と言っているわけではありません。
日本の社会において仁義に反するような、引き抜きは絶対に
根付いていかないと思っています。

ですが、ファーストタッチ(本格的に所属クラブを選ぶ)のタイミングで
選手のご両親とコンタクトを取ることは良いと思います。
また、ファーストタッチの関係は多くの場合、選手と両親の感謝の
気持ちが強いのでクラブやコーチとの良い関係が長く続きます。

他方、日本の中に一つくらいは、「あのクラブに行ったら強くなれる」
「あのクラブのコーチに認められたら嬉しい・・・」みたいなクラブが
あっても良いのではないかと思います。

昔フィフティーンラブという漫画がありました。テニスをはじめて間
もないヒロミ少年にアメリカから来たコーチが「アメリカに来なさい
世界のテニスを学びなさい」というシーンがありました。
(私は行こうとしてボロテリーの試験に落ちたわけですが・・・)

これは夢のあるシーンだったと思います。

「是非私のクラブに来なさい、来て強くなりなさい」と言えるコーチが
・・・、日本にいても夢を与えられるコーチ(クラブ)があっても良いと
思います。

どんなに”有能・優秀”なコーチでも、良い選手がいなければ”それ”を
証明する事は出来ません。

追記 「我がクラブはそのような活動は行わない」「ここにいる選手を
     出来る限り育成する」という信念は、素晴らしい考え方として
     最大限の敬意を表します。大切な事だと思います。
    

コメント

  1. 南国プレーヤー さん : 2008.09.23

    いつも前のめりのコメント、楽しく拝見しております。
    本日の内容も興味を持ちました。
    ①スカウトの方は子供のどういった点から将来性を見抜くのでしょうか。
    ②逆にそういったスカウトの目に触れるには日本ならどこでプレーをするのが一番なのでしょうか。

    返信

  2. 濱浦 さん : 2008.09.23

    南国プレーヤー様
    コメントありがとうございます。今日はこれから仕事ですので、後ほど返信いたします。

    返信

  3. 濱浦 さん : 2008.09.24

    南国プレーヤー様
    ①スカウトの方は子供のどういった点から将来性を見抜くのでしょうか。

    スカウトの目に留まるくらいですから、テニスが上手い事は言うまでもありません。テニスの上手い下手(+運動能力など)は素人でも分かります。ただし、スカウトのバックグラウンドで見方は変わってきます。コーチであればクラブ・アカデミーの理念に合うのか?学校であれば校風に合うのか?ラケットメーカーであればボールが伸びているのか?(ラケットが良く見える)ウェアメーカーであれば、ルックス・スタイル+立ち居振る舞い+ボールを打つ時の顔(写真に載るので)等も注意しています。マネージメント会社であればルックス+カリスマがあるか?(売れるのか?)単純にテニスの能力だけでもないですね。出身国はもちろん、親の事もよく観ています。

    正確に子供の将来性を”見抜く”事など、誰にも出来ません。幾らJr時代に才能があってもTop100に入れるのは一握りですので、やはり最後は様々な困難を乗り越えるパーソナリティーがあるのか?そして、この選手なら万が一、強くなれなかったとしても、自分が学校や会社に対して責任を取る、と思わせてくれる選手(人間性)で有るか否か?というところに行き着きます。

    ②逆にそういったスカウトの目に触れるには日本ならどこでプレーをするのが一番なのでしょうか。

    スカウトの目に触れる事を意識してプレーしてはいけません。選手は目の前の目標に向けて努力すればよいのです。スカウトに声をかけられる事、メーカーと契約する事がゴールではありません。強くなれば必ず誰かが見ています。一つ一つ目標をクリアしてください。親も同じです。

    私が始めて錦織選手の名前を聞いたのは、彼が12歳か13歳の時、某メーカーのスカウト(もちろん外人です)が「おい、日本に凄いのがいるぜ!」というのが最初だったと思います。結局契約しなかったので、先日のUS OPENの期間中には「ケイがグランドスラムで優勝したら俺はクビだな」って言っていましたよ。

    返信

  4. 南国プレーヤー さん : 2008.09.25

    いつもながら納得感のある回答有難うございます。
    教育の一環としてのスポーツとビジネスとしてのスポーツ、
    この境界線は結構微妙な問題ですね。
    プレーヤーとして支援を受けるにはルックスやカリスマ性も
    大事との意見、もっともだと思います。シャラポワ選手や
    イバノビッチ選手なんてオーラがありますもんね。

    返信

  5. tomo さん : 2008.09.25

    “私のクラブに来なさい”
    選手があこがれると同時に、コーチの方も自分の手で世界的な選手を育てたい、という夢があって然るべきですよね。そういう夢があれば自分から有望な選手を発掘しに足を動かすと思うんですけどね。そういうコーチ(自分の才能に自信のあるコーチ?)が少ないってことでしょうか。

    返信

  6. 濱浦 さん : 2008.09.26

    南国プレイヤー様
    教育とビジネスの境界線というのは、確かに微妙な問題ですね。競技テニスに関わる全ての人が、葛藤を抱えながら仕事をしていると思います。

    Tomoへ
    才能=取り扱い注意だからね。ただ、日本のテニスの場合(特に男子)、成功例が少ないって言うのがコーチとしても難しいところだと思う。成功したテニスコーチ!っていう目標も少ないよね。例えば、Tomoの研究室の先輩にはノーベル賞とか取った人もいるわけでしょう?そういう例があると、目標が明確になるような気もするけど・・・如何?

    返信

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