外国人コーチ・・・

テニスを愛する皆さんこんにちは

日本のテニスを強くする為に、優秀な外国人コーチを招聘
するべきだと言う声を良く聞きます。確かにメリットはあると
思います。しかし、優秀な外国人コーチの数は多くない・・・。
錦織選手が練習するIMGアカデミーに30人(仮に)のコーチ
がいるとして、まともにコーチングができるのは5人くらいだと
思います。(ヒッティングが上手い人は沢山いるでしょう。)

万国共通ですが、コーチにも得て不得手があると思います。
育成が上手なコーチ、選手とツアーを回りながら育てること
が出来るコーチ、ツアーで結果を出すのが得意なコーチ・・・
等、しかし万能なコーチは少ないと思います。

外国人コーチに限った事ではありませんが、雇う側はその
コーチに何を求めて仕事をオファーするのかを、明確にして
おく必要があると思います。そうでないと折角の優秀な
コーチの能力を十分に引き出す事は難しいと思います。


自分の事で言いましょう、昨日のブログでも少し触れましたが、
私はドイツブンデスリーグのコーチをしていました。いわゆる
地域密着型のクラブの、ジュニアから始まる育成組織のトップ
チームのコーチをしていました。(かなり簡単に言うとです)

私の場合、主に16歳から上の年齢(30歳過ぎ)の選手まで、
指導していたわけですが、就任時に16歳だった選手をある
レベルまで育てる事は出来たと思います。しかし、当時12~
14歳だった選手をチームに引き上げ、育てる事は出来ません
でした。そのような心の余裕と視野が無かったのです。

私の前任のコーチは選手としてATPで100番くらいまで上がった
コーチで、「日本人のコーチが来る」と聞いてチームを辞めた選手
もかなりいました。最初の2~3年は、毎度のように「今日負けたら
契約見直し」と言われていたので、心の余裕がありませんでした。

この事は、長期的にはクラブ組織の一貫指導において断層を
作ってしまったと私は思っています。

数年前、LTA(英国テニス協会)は、湯水のごとくお金を使い
ペーター・ルングレン(元フェデラーのコーチ)をはじめ、世界中
の有名コーチを集めてスタッフを組織しました。しかし、中々
良い結果に結びついているとは言い難いと思います。

今年LTAディレクターのピーターフレミング(元マッケンローの
ダブルスパートナー)と何人かのエージェントと一緒にローラ・
ロブソン(14歳 全英ジュニア優勝)選手の将来について話し
をする機会がありました。その時に、私は「彼女はタレントだが
LTAは選手もコーチもスポイルされているからダメだろう」と口を
滑らせてしまいました。(LTAではロブソン選手を伸ばしきれ
ないと思っています)

その場の空気は確かに凍りました。その時フレミングが言った
のは「I’m not happy but You are right・・・」です。
(断っておきますが、ロブソン選手は将来有望な選手です、14
歳で全英ジュニアに優勝するのは簡単な事ではありません。)

以前、日本協会がボブ・ブレッド氏をスーパーバイザーとして
年間100日で契約していましたが、これは良い形の契約だった
と思います。あと数年、契約を続ける事が出来ていれば効果が
もっと良い形で表れたのではないかと思います。

どのような経緯があったのかは、私にはわかりませんが、契約
を更新できなかったのは残念な事だったと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。全て必須項目となります。