
「木下グループジャパンオープン2026」(東京・有明コロシアム/ATP500)は、男子シングルス2回戦が行われ、大会第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)がマテオ・アルナルディ(イタリア)を 7-6(6)、6-1 のストレートで下し、ベスト8進出を決めた。
試合の大きなハイライトとなったのは、第1セットのタイブレークだ。
アルナルディの激しい攻勢と自らのミスによって、アルカラスはタイブレーク2-6とリードを許し、相手に4つのセットポイントを握られる絶体絶命のピンチに陥る。しかし、ここから世界最高峰の勝負強さが炸裂した。
「試合は最後のポイントが終わるまで終わっていない」
そう心に決めて強い覚悟でコートに立ったアルカラスは、従来のプレースタイルから一転、工夫を凝らした配球で相手のセットポイントを1つずつ力強く跳ね返していく。「目の前のポイントだけに集中した」と語る通り、圧巻の4連続ポイントで6-6の同点に追いつくと、そのまま勢いに乗って一気に第1セットを先取した。
窮地を脱した第2セットでは、戦術を大きく変更。「相手が僕のスピンボールにうまく対応していた」と分析したアルカラスは、あえてスピン量を抑え、フラット気味のラリーで主導権を握る。攻撃のペースを上げてアルナルディにプレッシャーをかけ続けることで、自身のボールの感触や試合のペースも格段に向上し、第2セットは6-1と圧倒して試合を締めくくった。

試合後、会見場に現れたアルカラスは「ストレートで終えられたことで、次の試合に向けてエネルギーを温存できたのが大きい」と晴れやかな表情で語った。また、過去に4か月半におよぶ怪我での離脱を経験していることにも触れ、「今こうしてコートに戻れてプレーできること自体が最高の贈り物。もちろん勝つことも大切だが、テニスをプレーし、楽しむ感覚を常に持ち続けることを一番大切にしている」と、コートに立てる喜びを改めて噛み締めた。
「有明のファンの素晴らしい応援の中でプレーできるのは本当に幸せ」と語った世界王者。ピンチで見せたギアチェンジと変幻自在の戦術眼、そしてテニスへの情熱をまざまざと見せつけたアルカラスが、さらなる頂点を見据えて有明の地で躍動を続ける。



その他の試合は、デニス・シャポバロフ(カナダ)がアレハンドロ・タビロ(チリ)との接戦を7-5、3-6、6-4で制してベスト8進出を決めた。
予選勝ち上がりのアドルフォ・ダニエル・バジェホ(パラグアイ)がマテオ・ベレッティーニ(イタリア)を7-6(6)、6-1で破る金星を挙げたほか、イジ・レヘツカ(チェコ)はウーゴ・アンベール(フランス)に5-7、6-4、6-4で逆転勝ちを収め、それぞれ準々決勝へ駒を進めた。
■シングルス2回戦■
○ C・アルカラス (スペイン) [1] 7-6(6) 6-1 ● M・アルナルディ (イタリア)
○ D・シャポバロフ (カナダ) 7-5 3-6 6-4 ● A・タビロ (チリ)
○ A.D・バジェホ (パラグアイ) [Q] 7-6(6) 6-1 ● M・ベレッティーニ (イタリア)
○J・レヘツカ (チェコ) 5-7 6-4 6-4 ● U・アンベール (フランス)
■ダブルス準々決勝■
○ S・ボレッリ / A・ババソリ (イタリア) [1] 6-3 6-4 ● M・ポルマンズ / J・ジエリンスキ (オーストラリア/ポーランド)
○ T・アリバジェ / A・オリベッティ (フランス) [2] 6-4 7-6(3) ● L・ミードラー / N・オーバーライトナー (オーストリア)
○ R・ヒジカタ / 上杉海斗 (オーストラリア/日本) [WC] 6-4 6-4 ● H・ニーズ / E・ロジェ=バセラン (モナコ/フランス) [3]
○ A・クライチェク / N・メクティッチ (アメリカ/クロアチア) [4] 7-6(2) 7-6(3) ● A・タビロ / L・バン アッシュ (チリ/フランス)
取材:保坂明美 写真:伊藤功巳

