セリーナ・ウィリアムズ(30歳、米国)とマリア・シャラポワ(24歳、ロシア)が強い。セリーナはバルボラ・ザーロバ・ストリツォバ(25歳、チェコ)を6-0 6-4で、シャラポワはジェイミー・ハンプトン(22歳、米国)を6-0 6-1で退けて3回戦進出を決めた。


この二人はサービスとリターンでは、他の選手よりも圧倒的に上。一発の威力で主導権を握り、次々とポイントを決めていく能力が高い。その分だけ試合時間も短く、また体力的な消耗も小さくできる。戦術がシンプルな分だけ相手からすれば厄介で、あれこれと策を練ろうにも、それ以前の段階で蹂躙(じゅうりん)されてしまう。近年の女子テニスが辿りついた「勝利の法則」を体現している存在と言ってもいい。この二人が「乗っている時」には、そう簡単に勝てない。
女子はこの日も上位勢は概ね安泰だった。ペトラ・クビトバ(21歳、チェコ)がカルラ・スアレス・ナバロ(23歳、スペイン)にあわやという試合(6-2 2-6 6-4)を演じたが、ここ最近は低迷しているとはいえ、スアレス・ナバロは2009年にはベスト8の実績を持つ相手。クビトバにも油断があったわけではないのだろうが、少しでも気が緩めば、ひっくり返されかねない今の女子の状況を端的に示した試合と言える。だが、クビトバにとっては逆にいい薬になったかもしれない。3回戦以降はきっちりと締めてくるだろう。
残念だったのは第15シードのアナスタシア・パブリュチェンコワ(20歳、ロシア)がバニア・キング(22歳、米国)に7-5 3-6 4-6で逆転負けを喫したこと。シード勢の中では最も若く、今後も期待されているパブリュチェンコワだが、キングの粘りに屈した格好。女子も若手には厳しい時代になりつつあるのを感じさせる。
女子ダブルスのクルム伊達公子(41歳)は、第14シードのシー・ボスコボエワ組に2-6 1-6のストレートで敗れて初戦で姿を消した。クルム伊達の全豪は、錦織圭(22歳)とのミックスダブルスが残るのみとなった。